2018年のアメリカ映画『ファースト・マン』を観た。
1969年に、人類で初めて月面着陸に成功したアポロ11号の船長であったニール・アームストロングの物語ということになるが、どのくらいまで、彼の人物像を正確に描写したのかは分からない。
しかし、アポロ11号には、こんな男が必要であったということは確実に分かったのだ。
私が、この映画のニール・アームストロングに何を感じたかというと、「立派な人間」であったということで、実際に、そんな人間でなければならなかったということだ。
では、「立派な人間」とは何だろう?
それは、簡単なことで、「いつも立派な態度でいる人間」ということだ。
「たまに」とか「ときどき」ではないし、「ほとんど」でもない。
「いつも」立派な態度でいる人間のことなのだ。

ちょっと、ジャッキー・ロビンソンの話をしたい。
ロビンソンは、野球の黒人初のメジャー・リーガーで、彼の背番号42は、メジャー全球団で永久欠番であるが、彼がメジャー初出場を果たした4月15日は、全ての選手・監督・コーチらが背番号42をつけることが許可される。そして、ほとんど誰もが、その背番号をつける。イチローも松井秀喜もそうしたし、大谷翔平もそうだった。
ロサンゼルス・ドジャーズがロビンソンを入団させた理由の1つが、ロビンソンが立派な人間であることだった。人種差別が公然と行われていたその時代に、どんな目に遭っても、紳士的な態度でいられる人間でなければならなかったのだ。

アームストロングは常に立派な態度でいた。常にだ。そんな人間は、まず存在しない。
偉い人に不遜な態度を取られても、同僚に嫌味なことを言われても、記者に下らない質問をされても、議員に馬鹿げたことを言われても、彼は顔色を変えず、冷静に対応した。
奥さんにキレられた時も、動じずに穏やかに振る舞い、最善の行動が出来た。
宇宙飛行中、トラブルに見舞われた時、ヒューストン(宇宙センター基地)が役に立つ情報を与えてくれずに危機に追い込まれたが、その時も、危機を逃れてからも文句の1つも言わなかった。
だから、彼は最高の能力を発揮した。
搭乗した宇宙船の軌道がずれ、ヒューストンが軌道修正データを計算して知らせてきたが、アームストロングは従わなかった。その数字がおかしいと思ったからだ。それで彼は自分で計算して正しい答を出し、無事、宇宙船は正しい軌道に戻れた。その時も、アームストロングは、自分の命を危険にさらしたヒューストンの無能な連中に一言も言わず、ただ、同乗の飛行士に微笑んだだけだった。
彼は感情がないのではない。同僚の飛行士が事故死した連絡を受けた時には呆然となり、誰もいない場所で泣いていた。

圧巻だったのは、月着陸シーンだ。
着陸船が月面に降下中、コンピューターは、エラーコード1202を提示し、レーダーが消失した。
アームストロングはヒューストンに「1202って何だ?」と尋ねると、ヒューストンは「そのコードは問題ない。無視しろ」と言い、アームストロングは了解した。
この1202は、天才女性プログラマー、マーガレット・ハミルトンの歴史的な業績として記憶されている。
システムにトラブルが生じた時、最優先の機能以外はシャットダウンさせるという特別な仕組みで、ハミルトンが、プログラムにこの仕組みを組み込んでいなければ、アームストロングらは生きていなかっただろう。
着陸システムだけが生き残った中、アームストロングは手動操縦に切り替える。
下は崖や岩山ばかりで、着陸は不可能だからだ。
しかし、着陸船の燃料は僅かだ。
アームストロングは、着地出来る場所を探しながら操縦するが、燃料が尽きそうになっても、平地が見つからない。
こんな場合は、諦めて逆噴射し、軌道上の宇宙船に戻るしかない。その時は、このプロジェクトの失敗が確定する。
プロジェクト失敗の意味は、誰も想像出来ないほど大きい。飛行士の生命優先などという生易しいものではない。
アームストロングはギリギリまで諦めず、ついに平地を発見して着陸に成功する。

アームストロングは、運を掴む力も持っていたと私は確信する。
それを感じる話がある。
1967年、アポロ1号が打ち上げられようとしていた。このロケットにはアームストロングは搭乗していなかった。
宇宙飛行士3名が乗船し、スタンバイ完了するも、トラブルで発射時間が延期され、飛行士達は焦れていた。発射時刻の予想がつかないまま、時間が過ぎていたからだ。
その時、アームストロングなら、そんなことはなかったと思うが、船内の宇宙飛行士達は愚痴や文句を言い出し、立派な態度を取れなかった。いや、普通の人間としては十分に立派であったが、完全ではなかったのだ。
それで、運が逃げたのではあるまいか・・・船内が高濃度の酸素に満たされていて、電線から発火すると、たちまち大火災となり、3人の飛行士は死亡した。

私は、ニール・アームストロングとジャッキー・ロビンソンから、常に立派な態度でいることの重要性を学んだ。
これそこ、幸運の秘訣でもあると思われ、多くの人に、そうあるような意識を持っていただきたいと思う。
私はさっそくそうするつもりだ。まあ、あまりうまくはいかないだろうが、意識だけでも・・・(笑)








  
このエントリーをはてなブックマークに追加   
人気ランキング参加中です 人気blogランキングへ にほんブログ村 哲学・思想ブログ 人生・成功哲学へ