一昨日、大東流合気柔術式四股について書いたが、 たーぼーさんからコメントで『月刊秘伝3月号』に、大東流合気柔術式四股について書かれていることを教えていただき、早速、これを入手した。
この雑誌の中に、大東流合気柔術・佐川道場当主であった佐川幸義氏に直接、四股を教わった大森悟氏が書かれた記事の中に、この四股について、貴重なことが書かれていた。

まず意外だったのは、佐川氏の四股は、佐川道場の中で日常に行われている、あるいは、教えられているものではなかったということだ。
大森氏も、入門から半年経ってから、初めて、佐川氏に「四股を踏みなさい」と言われたが・・・言われただけだった(笑)。
それで、大森氏は、自宅で、相撲のような四股を踏んでいた。
その後、やっと、佐川氏が大森氏に、「四股を踏んでみなさい」と言われ、大森氏がいつも通りの相撲の四股を踏んで見せたら、佐川氏は、「そんな四股じゃだめだ」と言う。
そこで、やっと、佐川流の四股を教わるのだが、考えようによっては、かなりいい加減である(笑)。
それだけでなく、大森氏は、わけあって、この四股に独自の改良を加えたが、それがまた良いのである。

では、大森氏が説明する大東流合気柔術式四股について、まとめて書くが、大森氏とて、教本のようにこと細かく書いているわけではない。
(1)まず、やや広く足を開いて立つ。足先は、かなり外側を向く。大森氏が立っている写真では、つま先は、ほとんど外側真横を向いているほどであるが、180度真横よりは僅かに内側に向いている。
(2)「腰をあまり落とさず」と書いてあることから、「少し腰を落とす」ということと思われる。
(3)上体を傾けず、真っすぐに保ったまま、片足を少し(どのくらい「少し」かは分からないが)上げる。
(4)つま先から足を下ろす。動作は、なるべく速く行う。
以上である。
ところが、面白いことに、大森氏は自宅で四股を踏む時、階下の人に対する「踏む音を立てない」という配慮から、つま先を床から「ほとんど離さず」に上げるようにしたと言う。
私は、そんな気遣いが好きである。
そして、大森氏は、この、つま先をほとんど上げずに、かかとだけを上げ下げするやり方の方が良いと思うと書かれ、大森氏の想像であるが、佐川氏も、そのようにやっていたのではないかと書かれている。
驚くべきことに、佐川氏が四股を踏むのを見た者は誰もいないらしい。
尚、「つま先を床からほとんど離さず」と書かれているが、実際は、「全く離さず」ではないかと思う。
全体的に曖昧な部分も多いが、それほど固定したやり方はないのかもしれない。
実際、大東流合気柔術式四股について、佐川氏の直弟子や、大東流合気柔術の師範の方ですら、かなり違うことを言うのである。

だが、この四股で、恐ろしいほど足腰が鍛えられるようである。
しかし、運動自体は軽いので、子供でも女性でも、さらには、老人でも出来ると思う。
また、大森氏は、佐川氏直伝の横蹴りについても書かれていたので、これもトレーニングに取り入れようと思う。

私が面白いと思ったのは、大森氏が説明する四股を踏んでいたら、骨法の堀部正史氏が、子供の時、父親にみっちりやらされた「八の字歩行」という、カニ歩きを私がやった時の感覚を思い出したことだ。
八の字歩行でも、つま先は床から離さず、かかとのみを上げて行い、足腰が驚異的に鍛えられるところが似ている。
振伝には相通じる、超合理的なところがあるのかもしれない。
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