人生で重要なことはさほど多くはなく、少しの大切なことを知れば、自由自在に生きられるものだと思う。
そして、何が本当に大切か知りたいなら、馬鹿に倣うことだ。
「前へ倣え」ではなく「馬鹿に倣え」であえる。
インドの優れたお寺では、僧の中に飛び切りの馬鹿がいたら喜び、一生懸命、その馬鹿僧の真似をするらしい。
そもそも、修行の目的なんてのは、馬鹿になることだ。
江戸末期の偉大な神道家、黒住宗忠は、有名な観想家(顔や身体の相で鑑定する占い師)に、「恐れ入りますが、あなたには阿呆の相がある」と言われたら、「長年、阿呆になる修行に励んで参ったが、いよいよ成果が出て来たか」と大喜びしたらしい。

で、馬鹿を観察したら、こんなことが分かる。
馬鹿は、たった1つの特技を持ち、魂の声に従うということだ。
馬鹿は、1つのことしか出来ないが、それに集中するので、かなり力がつく。上手くなるのに頭が必要なことはそうはないからね。

馬鹿の真似をして超人になった人と言えば、最近も述べたが、こんな人達がいる。
政木和三さんは、小学生の時、腹式呼吸の訓練を何か月もやって、1分で1回の呼吸が出来るようになった。すると、習ったこともないお経の意味が分かり、練習したこともないピアノを弾けるようになった。
上の黒住宗忠は、3か月間、1日平均630本の「大祓祝詞」を上げた(常識的には絶対不可能だ)。
それで、黒住宗忠は、イエス並の奇跡を起こせるようになった。
空海は、100万回、虚空蔵菩薩の真言を唱え、超天才になった。
これらのようなことは、よほどの馬鹿でないと出来ないが、頭脳明晰な彼らが、そんな馬鹿をやったのだ。

参考にすべき素晴らしい馬鹿の見本が、映画『フォレスト・ガンプ』の主人公フォレスト・ガンプだ。
彼は、IQ(知能指数)が75しかなく、おまけに、脚が悪くて脚装具(下肢装具)を付けていた。
そんなフォレストは、いじめの標的にされたが、ある日、フォレストが大勢のいじめっ子達に掴まりそうになった時、唯一の友達だったガールフレンドのジェニーが「逃げて!」と叫んだことから、フォレストは必死で逃げ、脚装具なしで走れるようになり、さらに、逃げて逃げて逃げまくるうちに、走ることが得意になり、大学アメリカンフットボールのスターになり、講義に1回も出ずに修士号を取った。
フォレストが従軍し、ベトナム戦争に行った時、こんなことが起こる。
彼がいた部隊が敵の急襲を受け、惨劇の状況になった。
フォレストは馬鹿だから、怪我で動けない仲間を見ると、1人も残さず、担ぎ上げて安全と思える場所に運んだ。
その中に、脚を吹っ飛ばされた上官がいたが、その上官はフォレストの助けを拒否した。そこで死にたかったのだ。だが、フォレストは魂の声に従って彼を救い、彼とは生涯の縁が出来た。
この時の働きで、フォレストは大統領から勲章を受ける。

唯一の特技である走ることと、魂の声に従うことで、フォレストは成功し続け、お金持ちにもなった。
そのフォレストが、ある時、ひたすら走り始める。
やがて、大勢の人達が彼と一緒に走り始め、全米が彼に注目する。
テレビのインタビュアがフォレストに尋ねる。
「あなたが走るポリシーは?」
だが、馬鹿なフォレストに、そんなものはない。だから、「わかんないよ」と答える。
彼は、魂の声に従っただけだ。
あなたも、フォレストを観察すると良いと思う。
馬鹿ほど、観察のし甲斐のあるものはない。
私も、今、馬鹿らしく、毎日何千回も腕振り運動をしている。
ポリシー?
分かんないよ(笑)








  
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