世の中には「現実論」というものがあり、最近は、これが支持されていると思う。
これは、「努力すれば夢が叶うなんてのは嘘」という言葉で言い表せる。
どんなに努力したところで、プロ野球やプロサッカーの選手になれるのは、才能に恵まれたごく一部の人間だ。
そんな極端なものでなくても、サラリーマンで出世して高収入を得られるかも、固有の能力が高くなければ、努力しても無理だ。
プログラマーやシステムエンジニアも、上位になれば、かなり頭が良くないといけないし、それどころか、必要な頭の良さ(IQと言って良い)がなければ、プログラマーやシステムエンジニアになることも出来ない。
大成功してお金持ちになれるかどうかは「たまたま」ではあるのだが、実際には、たまたまの幸運に恵まれた能力の高い人が成功する。

一方で、こんな考え方もある。
「人間の能力に差はない。成功するかどうかは注ぎ込んだ時間で決まる」
つまり、イチローが成功したのは、誰よりも多くの時間を野球に注ぎ込んだからだという考え方だ。
そして、実際、イチローは、どんな野球選手よりも練習時間が長かったと思われる。
しかし、これも、能力が高くなければ、時間を注ぎ込む環境が得られないし、やる気にもならないだろう。
確かに、小さい時に、「お前は野球がうまいなあ」とおだてられ、いい気になって努力するうちに、野球の実力が付くという場合もあるが、これも、才能がなければ、そこそこうまい・・・つまり、せいぜい、そこそこの高校野球チームのレギュラー止まりといった感じで、小さな能力もなければ、そこまでもいけない。

さて、究極には、こんな説がある。
人間の能力は、ほとんどが未開発で、天才といったところで、潜在能力のせいぜい30パーセント、ひょっとしたら、数パーセントも使っていないかもしれないという説だ。
そして、人間の能力を封じ込めている要因は精神的なもので、それを取り除けば、人間は誰でも超人になる。
この説は、普通の人間が、火事場の馬鹿力的に、超人的な能力を発揮することが実際にあることで支持されることが多い。
例えば、日曜音楽家に過ぎない者が、名曲であるフランス国歌『ラ・マルセイエーズ』を創作したという事実もある。

おそらく、正しいのは、人間は誰でも無限の能力を持っているということだ。
しかし、その能力を引き出すことは非常に難しく、仮に、世界で最も優れたやり方があったとしても、成功率は、そんなに高くないということと思う。
まあ、実は完全な方法は分かっているが、それは一部の者だけが知っていて秘密にされ、一般に公開されていないということも考えられるがね。

ところで、人間の隠された能力を引き出す方法が書かれた本として、最も売れたのは、L.ロンハバードの『ダイアネティックス』だと思うが、ハバードや彼が作った宗教であるサイエントロジーは、一部の人々によってかなり強く批判されている。
だが、そんな人々による評判などに構わず、実際に『ダイアネティックス』を読んでみたら、素晴らしい点もあるが、矛盾も感じるというものだった。ただ、これは、私の読み方が悪かった可能性もある。
だが、確実に言えることは、このダイアネティックスの実践は大変に難しいということだ。
個人的な感想では、一生をかけても、成果が得られるかどうかは分からないといったところだ。

ある程度の能力(とはいえ大きなものだが)を引き出すには、脳が自動的に再生している言葉・・・簡単な言い方では「頭の中のおしゃべり」をやめれば、すぐさまIQは、少なくとも20は伸びると思う。
そのためには、肯定的な言葉、例えば、「大丈夫」とか「絶好調」を頭の中でつぶやけば良いし、研究によれば、実際に、優秀な人はそうしているらしいが、それが続けられるかどうかも、重要な能力なのである。
多くの人は、「どの言葉をつぶやこうか」だけで一生が終わるような気がする。
結論ではないが、ラマナ・マハルシが、ずっとつぶやけと教えた言葉は「私」である。なるほど、確かに、この言葉が、頭の中の独り言を一番止めやすい言葉である。つぶやくのは「私」なのだから、この、つぶやく主体(私)に意識を固定すれば、もうつぶやくことは出来ないと思われるからだ。






  
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