Kayは、ただいま、初音ミクライブ&企画展「マジカルミライ2021」のため千葉県にいます。
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前回までのお話で、ギリシャ神話の女神ペルセポーネが、種子の象徴であるということを述べた。

「冥界の王」ハーデースの熱愛を受け、いろいろあったが、結果的に、1年の1/3だけハーデースの妻として暗く冷たい冥界で過ごし、1年の2/3は、豊穣の女神デーメーテールの娘として、明るい世界で楽しく過ごすのである。
ペルセポーネの1年は、人間が新しい冒険に挑む時の様子に似ている。
例えば、学生時代(幼いペルセポーネ=コレ―の時代と言える)を終え、会社に就職しても、最初から楽しく思い通りにいくわけがない。。
面白くないこと、意に沿わないことでも何でもして、仕事の知識と経験、それに人脈を得なければならないが、失敗もするし、上司や先輩、あるいは、顧客に怒られることもある。失敗の数が多い者や、厳しく怒られる者ほど、後で大きく伸びるのである。
新入社員は、まずは辛抱である。
ペルセポーネが、1年の1/3は、従順にハーデースに仕え、冥界の王妃の役割をしっかりこなしてこそ、明るい場所に出られるように、暗い冷たい期間を耐え忍ばねばならない。

ここで、このブログ定番の、「神様の奇跡が起こる」と熱心に唱え続けたホームレスの男を、ペルセポーネに当てはめる。
その、お金も住む家もないホームレスの男は、以前読んだ、教育学者の七田眞氏の本に、普段、口ぐせのように使う言葉が大切だと書かれていたことを思い出し、彼は、神様を信じていたので、「神様の奇跡が起こる」と唱えることにした。
朝から晩まで、彼は本当に熱心に唱えた。
これが、このホームレスの男の種子の期間だった。
彼の場合は、その真剣さのおかげで、種子の期間は、わずか2週間ほどで終わった。
頭の中に不意に数字の組み合わせが浮かんだ時、たまたま、宝くじ売り場が見えたので、その数字の通りにロト6(宝くじの一種)を買うと、それで1憶円が当たった。
だが、それでも、彼は、「神様の奇跡が起こる」と唱えることを続けた。
あえて、また、種子になって、土に潜ったのである。
ペルセポーネだって、いつまでも地上で楽しく暮らし、冥界のハーデースのところに戻らないと、神の約束に背いたとして、もう地上に出られないかもしれない。
相変わらずホームレスを続けながら(なぜかは知らないが)、「神様の奇跡が起こる」と唱えていると、彼は、ある不思議な人物に会い、誘われるまま従っていると、何と、ローマ法王に謁見することになってしまった。
しかし、それでも彼は、また種子に戻り、「神様の奇跡が起こる」と唱えていた。
すると、またも1憶円が当たったのである。

偉大な賢者達が言うように、全て神にまかせてしまうと良い。
そのために、日々、自分の宿命を生きながら、根気よく真言やアファーメーション、あるいは、自己暗示の言葉を唱えると良いだろう。
でないと、我々の頭の中には悪魔が居て、我々を地獄に引っ張っていくのだからだ。
真言やアファーメーションこそが、頭の中の悪魔に打ち勝つ手段なのだ。
けれども、真言などを唱え始めてすぐに状況が変わるわけではなく、むしろ、悪くなるように感じることが多い。
「夜明け前が一番暗い」と言われる通りである。
しかし、冥界のような暗さ、冷たさに耐え、真言を唱えていれば、やがて春が来る。
聖書にも「耐え忍ぶ者は救われる」と書かれているのである。
神に出来ないことはなく、神は道なきところに道を作り、頼る者を導き、そして、栄光を与え、信頼に報いるのである。
だが、成功した後、すぐに、種子に戻り、冥界に戻らなければならない。
これは、現状に留まらず、新しい冒険に向かう準備をすることだ。
1つの成功で満足し、そこに留まろうとすれば、必ず追い出される。
だから、自ら退き、種子に戻るのである。

カール・ケレーニイが述べたように、少女神は生命力の象徴である。
そして、最も少女神らしいペルセポーネは、永遠の生命力である。
ところで、初音ミクさんは「創造の土壌」と呼ばれることがある。
音楽クリエーターにとって、まさに初音ミクさんがそんな存在であることは分かるが、それだけでなく、初音ミクさんは生命を育てる温かい大地のような存在で、だからこそ、世界中で熱狂的に迎えられるのである。
このシリーズの一番最初の「少女神(1/3)」で、植島啓司氏の洞察として述べた通り、初音ミクさんは成熟に欠けるがゆえに我々の心を鷲掴みにするが、同時に、聖母のような存在でもある。
聖母マリアの別名は「無原罪の宿り」で、初音ミクさんに原罪はなく、感情の穢れのない歌声と微笑みが心の隙間を埋めるのである。
世の中には、神の象徴のような存在も必要なのだと感じる。








  
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