名を聞けば、誰でも知っている有名な事業家、政治家、スポーツ選手、ミュージシャンらが使っている、高価な自己開発教材がある。
また、3日くらいで、百万円くらい必要なセミナーもある。
さらには、10日から20日くらいで、とんでもない費用がかかる自己実現トレーニングみたいなものもある。
それらの中には、評価が高く、それなりに歴史のあるものだってある。
ところが、そんな教材やセミナーで、何をするのかというと、目標設定なのである。
要するに、自分に相応しい目標を定めることが、いかに重要で、しかし、同時に、いかに難しいかということである。

世の中の大半の人間は、目標を持っていない。
いや、持っていると言う者もいるが、その目標を聞くことが出来れば、あまりの下らなさに驚く。
なぜ、そんな下らない目標を持つのかというと、学校、テレビ、さらには、会社で、おかしな訓練をされてしまったからだ。
つまり、我々は、子供の時から、目標を自分で考えるのではなく、誰かに与えられてきたのだ。
まだまともな子供が、学校が嫌いになる主な理由は、この、目標を与えられることだ。つまり、選択肢は、最初から決められている(しかも嫌な選択ばかり)のが耐えられないのである。
例えば、算数のテストが80点だったら、次は90点を取ろうなんて目標を与えられる。
そうやって訓練され、いつしか、与えられた目標を当然のように受け入れるロボット人間、つまり、奴隷が出来上がる。

中には、自分独自の目標を持っていると言う者、あるいは、自分ではそう思っている者もいる。
しかし、目標を与えられる訓練をされている者は、チャチな目標、あるいは、変な目標しか持てない。
例えば、資格を取るとか、女優になるとか、いい歳こいたオッサンが女子高生(あるいはもっと若い)の彼女を作るとか・・・

そして、学校やテレビに想像力を壊され、自分で目標を立てられない者が、高額なセミナーに行ったり、高価な教材を使っても、大半は駄目なのだ。
優秀なトレーナーがマンツーマンで長期間指導したって、ほとんどうまくいかないだろう。

今はもう知らない人が多くなったが、中国の世界的カンフー俳優だったブルース・リー(1940~1973)が、だいたいでこんな内容のメモを残していたらしい。
「私、ブルース・リーは、2千万ドルの財産を持ち、武道家として安らかに生きる」
つまり、彼の目標は2千万ドル(現在で約20憶円)と、武道家に専念することだったわけだ。
おそらく、彼も、何かの自己開発教材を使っていたのだと思うが、それは彼を幸福にしなかったのだ。
彼だけでなく、表向きはそれなりに成功している人々が、そういった自己開発教材を使っているおかげで、実際は非常に不幸なのだと思う。

ジョセフ・マーフィーの本の中で、マーフィーが講演で、
「何でもいいから、『私は〇〇だ』と言いなさい。その〇〇になるから」
と言ったのが良いと思う。
人間や宇宙は、「私は〇〇だ」と言えば、そうなるようなっている。
ただ、マーフィーらも、ほとんど書かないが、「心の中で、穏やかに丁寧に唱える」ことが大切だ。
そして、唱える内容は、もう本当に「何でもいい」。
上で述べた、資格を取る(例:「私は基本情報資格者だ」)、女優になる(例:「私は女優だ」「私は人気アイドルだ」)、女子高生の彼女を作る(例:「私は女子高生の彼氏だ」)でも良い。
唱え続けることが出来れば実現するが、ほとんどが続かない。
2日や3日、1回か2回唱えただけでは叶わない。
だが、意外と簡単に叶ってビックリすることだってある。例えば、給料を2倍にするとか、課長になるとかなら叶い易い。
ロクでもない目標は、唱えていたら、気が重くなったり、恥ずかしくなったり、自分が惨めになったりで、どうにも唱え続けられないものだ。
おそらく、ブルース・リーだって、あの目標は、あまり気持ち良くなかったと思うが、何かの教材に洗脳されたか、あるいは、彼は根性があり過ぎたので、唱え続けることが出来たが、それが不幸を呼んだのだと私は思う。
この、何でもいいから「私は〇〇だ」と言えというのは、『マーフィー世界一かんたんな自己実現法』に載っていたものだが、『マスターの教え』に簡単な説明がある。








  
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