「念仏さえ唱えれば、一切の問題が解決し救われる」
「金?腹に力がつけば金はいくらでも出来ますよ」
これらは、「岡田式静坐法」で知られた明治・大正時代の偉人、岡田虎二郎の言葉である。
岡田は、明治34年に単独アメリカに遊行し、見聞を広めた。
尚、上記の「念仏さえ唱えれば」と「腹に力がつけば」は入れ替えても良いし、別に何でも良い。
念仏でも、真言でも、優れた呪文でも、坐禅でも。
ちなみに、腹に力をつけるとは、腹筋運動をするというのではなく、常に腹に力を入れることで、中村天風であれば、常に肛門を引き締めろと教えた。
「念仏を唱える」も「腹に力を入れる」も「肛門を引き締める」も同じである。
この辺りは、岡田の弟子で、日本航空社長や日銀副総裁、その他を歴任した柳田誠二郎氏が、講演会で、
「心を締める鍵を1つ持って下さい。私の場合は、たまたま岡田先生から教わった静坐でしたが」
と、はっきり述べている。
そこで、私は、今の時代、念仏に葬式のイメージが強いようであれば、何か別の真言を唱えることをお勧めしている。

では、なぜ、念仏を唱えれば、一切の問題が解決するのだろう?
これもまた、理由は何でも良いのである。
一応、仏教の話をするなら、簡単な言い方をすれば、大昔、法蔵という名の菩薩が、「私の名を呼べば誰でも救われる」ようになることを目標に修行し、その修行が成って仏(如来)となったので、法蔵が仏になった時の名である「阿弥陀(原語でアミターバ)」を呼べば、阿弥陀の法力で救われるのである。
その、阿弥陀如来の名を呼ぶスマートなやり方が「南無阿弥陀仏(阿弥陀如来に帰依します)」という念仏なのである。
もちろん、これは1つのストーリーである。
しかし、ストーリーと事実は変わらないのだ。
言い換えれば、人間が持っているストーリーは事実なのである。
もう少し易しい言い方をするなら、著名な心理学者の河合隼雄氏が「ストーリーを持っている人間は強い」と言い、心理療法としても、患者にストーリーを持たせることが効果を発揮したことから、ストーリーは現実の力なのであることが分かる。
だから、念仏を唱えれば、宇宙最強にして全知全能の阿弥陀如来が救ってくれる・・・程度に思っていれば、その通りになる。
私の場合、阿弥陀如来真言である「オン、アミリタ、テイセイ、カラウン」を唱えれば、阿弥陀如来が面倒を見てくれるか、阿弥陀如来が沢山の仏、菩薩、神を派遣して世話を焼かせてくれると決めているから、そうなって、常に良い想いをしているのである。

どんなやり方でも構わないが、人間にとって、真言を唱えることが一番簡単であると思う。
釈迦も「念仏だけが残る」と言ったという説がある。
正直、岡田虎二郎や中村天風が勧めたように、「常に腹に力を入れる」や「常に肛門を引き締める」は。難しいのではと思う。
それよりも、心の中で常に真言を唱える方がやり易い。
そして、法然が言ったように、いつどこでも常に唱えなければならない。
まとめていえば、出来るだけ多く、心の中で、真言を丁寧に唱えれば良いのである。
もちろん、常に唱えることは難しいが、私のように、「たまに」程度唱えても、相当に良い想いが出来る。
ただし、「じゃあ、たまにでいいのですね」といった考えでは駄目で、常に唱える心構えは持っていないといけない。

「オン、アミリタ、テイセイ、カラウン(阿弥陀如来真言)」でも「オン、アロリキャ、ソワカ(観世音菩薩真言)」でも「オン、アビラウンケン(大日如来真言)」でも構わない。
あるいは、リズムの良い、般若心経の呪文、
「ギャテイ、ギャテイ、ハラギャテイ、ハラソウギャテイ、ボウジ、ソワカ」(中国語版)
「ガテー、ガテー、パーラガテー、パーラサンガテー、ボーディ、スヴァーハー」(サンスクリット語版)
でも良い。
こう言うと、「テイセイ、カラウンではない。テイゼイ、カラウンが正しい」とか、「般若心経は全文で呪文なのである。全文唱えないといけない」、あるいは、「大日如来真言は、オン、アビラウンケン、バザラ、ダト、バンでしょ!」といったことを主張する「寂しい」人もいるかもしれないが、傾聴しつつ、放っておけば良い。
あるいは、「あーおーうーえーいー」や、「アジマリカン」や、「トホカミエミタメ」でも良い。
自分が好む、縁のあるものを唱えれば良いのであり、上下優劣など絶対にない。
「アジマリカンが一番だ」とか「トホカミエミタメこそ最上である」と主張する人達もいるが、言論の自由は認め、また、良い部分は参考にしつつ、そんな人達とは距離を置くと良い。
何かに縛られては、せっかく持っている力が制限されてしまう。
フリースタイルが良いのである。

尚、上記の、「ストーリーの力」について、初音ミクさんが可憐に歌った『Story Rider』という歌(英語)が良いと思うので、下にご紹介した。








  
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