キリスト教でも仏教でも、あるいは、他のいかなる宗教でも、困難があれば神や仏に祈ることは勧めても、それで実際に、問題が解決する・・・つまり、病気が治るとか、お金が儲かるとかいったことは言わない。
言ったら、お祈りが効かなかった時に文句を言われるし、病気が治るなんて言ったら、それこそ薬事法に違反するかもしれない。
それに、世間では、そういった「現世利益」があることを謳うのは、怪しい新興宗教であるという観念があるようにも思う。
だが、ジョセフ・マーフィーは、キリスト教の牧師であることは確かだが、既存のキリスト教とは異なる考え方を明確にし、あらゆる現世利益が得られる方法を教えながら、宗教家としても成功した。
しかし、そういったことは、アメリカでもだろうが、特に、日本の宗教界では、なかなかやれないだろう。
日本の仏教は、葬式仏教と言われるように、お葬式のためにあるようなもので、その職分を失うようなことは出来ないのだと思う。

ところが、織田隆弘(おだりゅうこう。1913~1993)氏という真言宗の僧は、実際は、戦後間もない頃からだと思うが、1970年代には、奇跡や現世利益をかなり表に出し、織田氏の著書は今でもロングセラーを続けている。実際、奇跡の実績も凄いらしい。
ただ、私は、宗教自体のことは知らないし、織田氏についても、昔、本を1冊読んだ程度なので、正確な引用ではなく、私の理解を述べるが、根本的には間違っていないと思う。
織田氏の宗派である真言密教は、空海が伝えたもので、手で印を結んだり、正式な座り方で座ったりするが、主には、真言(マントラ)を唱えることで、仏に通じ、結果、不思議なことも起こるというものだ。
織田氏の教えは、一般の人にも分かり易く、織田氏はとても偉い僧ながら専門馬鹿ではないことが分かる。
例えば、織田氏は、『観音経』を「法華経の25章」といった一般に分かり易い書き方をしてくれている。普通の専門家は「25章」ではなく「25品」と当たり前に書くが、いったい誰が「25品」なんて分かるだろうか?専門家は、そんなことが分からないのだろう。
で、『観音経』では、「観世音菩薩の名を呼べば、いかなる奇跡も起こる」と書かれているが、専門家の多くは、「それはあくまで方便じゃ。まさか、本当にそんなことがあるわけがない」といったことを言うが、織田氏は、そのままで良いと述べる。
つまり、「南無観世音菩薩」「観音様」「観世音菩薩」と一心に唱えれば、願いは叶うし、おそらく、「オン、アロリキャ、ソワカ」ならさらに良いのだろう。
これらの言葉は全て真言であり、 「オン、アロリキャ、ソワカ」は特に正統な真言なのである。
大日如来の真言なども勧めているようであるが、そのあたりは私は分からない。

ところで、織田氏は、浄土真宗の親鸞聖人について、よく取り上げておられたと思う。
親鸞といえば、師の法然と共に、「南無阿弥陀仏」の念仏だけを勧めたことで知られている。
そして、これは私の理解だが、織田氏の教えでは、「南無阿弥陀仏」だって真言なのである。
だから、「南無阿弥陀仏」と唱えれば、病気が治るなんて当たり前なのである。
もちろん、病気だけでなく、あらゆることに効果があるが、浄土真宗や浄土宗では、まさか、そんなことは言わない。
だが、実は、親鸞自体が、『現世利益和讃』として、「南無阿弥陀仏」の念仏を唱えれば、あらゆる現世利益があることを15の歌に詠んでいる。
まさに、念仏のスーパーパワー振りを堂々宣言している。
実際、念仏により奇跡が起こったという話はいくらでもある。
だいたい、現実の問題に効果がないとしたら、仏に力がないということになってしまうじゃないか。

私は、宗教とは関係なく、真言でうまくやってきたので、真言をお勧めはするが、具体的に、どの真言をというのはない。
言ってはなんだが、どれを唱えても同じと思っている。
ただ、肯定的に感じるものが良いだろう。
「南無阿弥陀仏」や、それこそ「南無妙法蓮華経」でも全然構わない。
ただ、私の場合だが、何度か葬式に出るうちに、「南無阿弥陀仏」の念仏のイメージがすっかり悪くなってしまった。
それもあって、昔から、阿弥陀如来真言「オン、アミリタ、テイセイ、カラウン」を唱えている。
とはいえ、この真言も「南無阿弥陀仏」の念仏も、同じなのである(専門家は細かいことを言うだろうが)。
一般的なことを言えば、『法華経』の「25章」の『観音経』を読んで、観世音菩薩の驚くべき力を知った上で、「オン、アロリキャ、ソワカ」、あるいは、「南無観世音菩薩」と唱えることをお勧めする。
ただ、あくまで、自分の好きなやり方でやるのが一番である。
数をこなせば奇跡も起こるだろう。
「数ではない。信仰が大切じゃ」と言う方もいるだろうが、私は、数こそ信仰と思っている。
いつも言うが、野球のバッターの実力は素振りの数で決まる。
真言は、人生の素振りのようなもので、数が多いほどうまくいくのだと私は思う。








  
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