アファーメーション(肯定的断言)等、成功法則で願いを叶えた人の後日談なんて、全く聞いたことがないと思う。
何度か書いた話だが、ホームレスの男性が「神様の奇跡が起こる」と1日中唱えていたら、宝くじで1憶円当たり、さらに続けていたら、ローマ法王に謁見し、それでも続けていたら、また、1憶円当たった。
この話は、著名な教育学者の七田眞氏の本(超「右脳」開運法)に書かれていて、七田氏は絶対に実話であることを保証している。
しかし、このホームレスのその後のことはどこにも書いていない。
このホームレスだけではない。
ジョセフ・マーフィーの成功法則や、少し前に流行ったロンダ・バーンの『ザ・シークレット』で成功した人々も同じだ。
「成功事例」なんてものは沢山報告されているが、「その後」となると、もう全く分からない。
まあ、『ザ・シークレット』の方は著名な人物が大勢登場していて、その後も活躍している人もいるが、どうなったか分からない人も多い。
そして、昔から、成功法則の教材販売やセミナーを主催する側として大儲けした人の中には、悲惨なことになってしまった人が多いし、彼らの教えで成功した一般人も、ほとんど良い結果になっていないと思う。
あるいは、表向きは成功し続けているように見える有名人も、実際は、離婚したり、家族に見捨てられたり、トラブルが多かったり、難病や奇病にかかって苦しい余生を送る人も沢山いる。
そんな悪い例は、本人はもちろん、利害関係のある関係者も隠すはずだが、それでも、情報が洩れてしまっていることもある。
その「関係者」が怖いので、あえて名前は挙げないが。

つまり、うまくいった後の心構えも大切だということだ。
欲をかいたら大失敗するし、守りに入っても、浪費癖がついてしまっていたり、なぜか損失が発生し、やがてじり貧になる。
あるいは、儲かることは儲かり続けるが、そのお金を使って楽しむことが全く出来ないという人もいる。

逆境にある若いうちはエネルギーがあるので、成功法則通りにやれば、決意と熱意があれば必ず成功する。
うまくいかないとしたら、残念ながらだらしないところがあるのだと思う。
だが、ダイエットと同じで、いったん駄目になり始めたら、坂道を転げ落ちるように、転落の勢いが止まらない。
だから、成功する時だって、無理なく、自然にやることが大切だ。
「神様の奇跡が起こる」と1日1万回唱えることが無理なく自然に行えるならそれで良いが、執念でやると、何かは起こるだろうが、後が大変かもしれない。
それは、当然、予測出来ることだ。
心に不安や恐怖がありながら、うまくいってしまうと、大抵、悲惨を味わう。

だが、それほど心配する必要もない。
事業家、投資家としても知られる作家のマックス・ギュンターは『運とつきあう』の中で、彼が最高の投資家と思う人物に、投資の秘訣を聞いた話がある。
それは簡単でありながら確かなこと、「欲張らないことさ」であった。
一度はうまくいって駄目になる人も、一度もうまくいかない人も、皆、欲張りなのだ。
端からうまくいかない人は、言い訳するし、泣き言を言うし、文句が多いが、これは、やっぱり欲張りだからだ。
だから、まず、心がある程度は静かであるよう、円熟することが大切である。
若くても幸福な人は心が静かだし、年寄でも不幸な人は心が荒れているものだ。
それで言えば、最近、ここでもよく書いている「存在の感覚」に馴染むことが何よりと思う。








  
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