成功する人は、パートタイムではなくフルタイムだ。
フルタイムとは、最低でも、起きている時間全部である。
とはいえ、フルタイムと言っても、野球選手が1日中バットを振っている訳ではないが(振っても良いが)、1日中、ずっと野球のことを考えているのである。
野球以外のことは考えないのかというと、野球のことを考えるついでに、他のことを考えているのである。
言い換えれば、生活しながら野球をするのではなく、野球をしながら生活するのでなければ、野球で成功しないのである。
法然は、生活しながら念仏をしていたのではなく、念仏しながら生活していた・・・念仏するついでに生きていたのである。

好きなら、少しも難しいことではない。
1日中やっている人は、次のように表に現れる。
世界的なロングセラー『信念の魔術』を書いたクラウド・ブリストルは、1日中、金儲けのことを考えていたので、ぼーっとしている時は、そこらにあるどんな紙にも、無意識に「$(ドル)」マークを書き、彼の周囲にある紙で出来たものは全て「$」で埋め尽くされた。
世界一成功したプロレスラーのバディ・ロジャースという人がいたが、彼は誰よりも練習したのではなく、とにかく、ずっとプロレスのことを考えていて、移動中も、他のレスラー達が、雑談したり、酒を飲んだり、ゲームをしている中で、ずっとプロレスのことを考えていたそうだ。

「俺はずっと女のことを考えている」「俺はずっと酒のことを考えている」というのは、何も考えていない証拠なのだ。
麻薬中毒者が、何も考えなかったので、麻薬のことばかり考えるようになって、麻薬中毒になってしまったのと同じなのだ。
つまり、人間は、何も考えないと、快楽に耽るようになってしまうのである。
なぜなら、快楽というのは生命力であり、それはつまり根源的エネルギーだ。
何かを考えることで、その根源的エネルギーを創造エネルギーに変換するのだ。
だが、創造的なことを考えないと、エネルギーは原始的な根源的生命エネルギー(エスと言う)のままで、思考は性的なことに支配されてしまうのである。
芸術家は、性的エネルギーにほぼ一致する根源的なエネルギーを、それ(性的エネルギー)に近いものに変換するので、芸術は全て性的なのである。
ピカソなんて、80歳過ぎても、エロい版画を鬼のように制作した。
漫画やアニメも芸術の一種なので、優れた作品で性的でないもの・・・つまり、エロくないものは1つもない。
性的エネルギーを最も遠いものに変換するのが科学で、優れた科学者にエロい人はいないし、成功した科学者がエロくなったら、もう科学者としては終わっているのである。
もっとも、芸術は性的エネルギーに近いとは言っても、性的エネルギーが変換されたものが芸術であることに変わりはないので、やっぱり、成功する人は、絵や彫刻や漫画やアニメのことを1日中考えることで、性的エネルギーを芸術に変換しているのである。

昔の栄光により名声があってもエロい人とは付き合わないことだ。
何も学べないどころか、同調したら、性的エネルギーを創造エネルギーに変換することが全く出来なくなる。
現役の優れた人は、性的なことを含め、美食やアルコールについてもストイックである。

クラウド・ブリストルは、元々は、タバコやお菓子といった快楽物質を欲しかったから金を欲しがったのである(若い時、金がなくてタバコが買えなかった)。
だが、彼の幸運なことは、タバコを直接求めたのではなく、それを得るためのお金・・・それも、いくらでも買えるだけの大金を欲しがり、当時のことだから、札束とか、銀行預金の残高を欲しがったので、そこらにある紙に、無意識に「$」マークを書くまでになったのである。
もし彼が、単に、タバコやチョコレートを求めたのなら、それらを盗んだかもしれないし、家族や友人にお金をせびったかもしれない。
しかし、それでは、永続的に欲しいものを得ることが出来ないと理解するだけの聡明さが、ブリストルにはあったのだ。
つまり、目的のために手段を選ぶ人間が賢いのである。

小説家になりたいなら、ずっと小説のことを考えているべきだし、本当に好きなら、それは容易だ。それを才能があると言うのである。
ピアニストになりたいなら、ずっとピアノ演奏やピアノやステージについて考えているはずである。
スティーブ・ジョブズは、事業のことを考えていたので、売れるデジタル製品やデジタルサービスについて考えたが、決して、良いデジタル製品やデジタルサービスについて考えなかった。
だから、彼は、自分が作ったアイフォンやアイパッドを、自分の子供には与えなかったし、自分では音楽配信サービスを使わなかった。
それについて、彼は、「僕は過去の人がつなげてきたバトンを落としてしまったかもしれない」と後悔し、それで、心が癌を作り出して死んでしまったのだと思う。
だから、我々は、皆のためになる方法・・・少なくとも、他人に迷惑にならない方法で、好きなことを考えた方が良いのである。








  
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