政治家でも、スポーツ選手でも、プログラマーでも、セールスマンでも、ミュージシャンでも、どんな職業でも、抜きん出た人がいる。
そんな抜きん出た人というのは、特別な才能があるとか、環境に恵まれていたとか、あるいは、運が良かったとか、いろいろ考えられると思う。
しかし、抜きん出た一番の要因は、時間をかけたことだ。
政治家であれば、趣味や、家族との対話や、レジャーや、グルメ等に使う時間を少なくし、より多くの時間を政治活動に注ぎ込んだのだ。
だが、もう一段、高い観点で言えば、仕事について、長い時間、考え続けたのだ。
この、「考え続けた」は、理屈や言葉で考えることも、もちろん含まれるが、とにかく、意識を向け続けたのだ。
いつでも、そのことが「心にあった」「頭から離れなかった」「心の目で見つめ続けた」ということだと思う。
「方時も忘れなかった」という言い方がぴったりするかもしれない。

なぜこんなに、心や思考や意識についてしつこく述べるかというと、やはり、心(あるいは精神)には力があるからだ。
いや、心や精神以外に力はないと言えるかもしれない。
つまり、世界そのものが、心・精神が作り出したものなのである。
だから、考え続けた者が勝つのは当たり前なのだ。

具体的な日常レベルの話になると、抜きん出る人は、雑談をしない。
雑談は時間がかかるので、雑談好きな人は、大切なことを考える時間が少なくなってしまうのだ。
私は、本で読んだ、こんな話をよく憶えている。
有名なプロレスラーだったジャイアント馬場さんが、アメリカにいた若い時のことだ。
プロレスラー達は、大勢で一緒に電車等で移動することが多かった。
電車の中で、多くのレスラー達は、雑談したり、ゲームをしたりする。
ところで、馬場さんには、バディ・ロジャースという憧れのレスラーがいて、一緒に移動する時は、ロジャースをじっと見ていたそうだ。
ロジャースは、トップレスラーで、人気は一番、世界チャンピオンでもあったが、何よりも、客を呼べるレスラーで、特に、女性客の集客力が凄かったらしい。
ロジャースが出れば客が入るとなれば、プロモーターからは大事にされ、当然、ギャラも物凄く高かった。
そして、プロなんだから、仲間のレスラーからも敬われていたし、実際、素晴らしいレスラーなので、馬場さんのように、憧れる者も多い。
そのロジャースは、雑談もゲームもしなかった。
馬場さんには、ロジャースが1人で、ずっと考えているように見えた。
試合やコスチュームのこと、どんな登場の仕方をすれば受けるか等、いろいろ考えていたのだろうが、とにかく、心を向け続けたのだ。
そこが、他のレスラーとの違いだ。
ある意味、プロレスしか分からない「プロレスバカ」だったのだろう。

それで言えば、やはり、抜きん出る人は皆、「〇〇バカ」なのだ。
イチローは間違いなく野球バカだったはずだし、エジソンは電気機器バカだった。
勝手なことを言えば、私は、浅田真央さんより、キム・ヨナさんの方がフィギュアスケートバカだったから、金メダルが取れたのだと思う。
そして、練習や実験の時間が長いというのは結果で、根本的には、心を向ける時間の差だと思える。
私も、セールスコンテストで優勝したとか、周囲のプログラマーやシステムエンジニアよりマシだった時には、セールスしてたとか、プログラミングしてたというよりは、セールスのことやプログラミングのことを思い続けていた時間が長かったのだ。
極端に言えば、実際に何をするかはどうでも良いのかもしれない。
あくまで、心が世界を作るのであるからだ。
実際、達人になると、何もしなくなるらしい。
『名人伝』においては、天下一の弓の名人は、名人になる過程で弓を射ず、名人になってからは弓を取らず、遂には、弓を見て「これは何だ?」と言う。
名人は、弓よりも上位のことに精神を向け続けていたのだろう。

で、何度も取り上げるが、教育学者の七田眞氏の著書『奇跡の超「右脳」開運法』の中で、ホームレスの男性が、1日中「神様の奇跡が起こる」と唱えて、宝くじで1憶円を2回当てたのも、この男が、ずっと神様の奇跡に意識を向け続けた結果であると思う。
彼には、他にやることも、雑談する仲間もいなかったので、本当に1日中、唱え続けた。
ある意味、バカであるが、奇跡を起こせるのはバカだけなのである。








  
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