何度かご紹介したことがあるが、世界的な教育学者、七田眞氏の著書『奇跡の超「右脳」開運法』に、とても楽しいエピソードがある。
それは、ホームレスの男性が、1日中、「神様の奇跡が起こる」と唱えていたら、2週間ほどしたら、数字が頭に浮かび、その通りに宝くじ(ロト6)を買ったら1憶円あたり、その後も、同じ言葉を唱えていたら、また1憶円当たったというものだ。
七田氏は、この話が誓って事実であることを、その著書の中で強調しているし、また、このホームレスのやり方が良いことも示唆している。

では、我々も、このホームレスと同じことをすれば、大きな幸運が得られるのかというと、それはそうだと思う。
ただ、このホームレスは、本当に暇で、やることがなかったから、1日中、その言葉を唱えていられた。
また、いかに簡単とはいえ、同じ言葉をずっと唱えるというのは、凄く忍耐が必要なことに思えるが、本当に暇な人にとっては、それほどでもないのかもしれない。
こんな考え方が良いのかどうかは無視して言うなら、このホームレスの、心というか脳が、異常とは言わないが、普通の人とは、やはり、どこか違うのかもしれない。
だから、そんなことが出来るのかもしれない。

中国の僧である道綽(どうしゃく)や、我が国の僧侶、法然は、1日中、念仏を唱え、その数は、1日6万とか7万だったと言われているが、彼らは修行というものを否定しているので、それを頑張ってやった訳ではないと見るべきだろう。
すると、習慣とか慣れの問題ということになるが、やはり、誰にでも出来ることとは思えない。

つまり、こういうことと思う。
あのホームレスの男性は、仕事をする運命になかったのだ。
インドの聖者、ラマナ・マハルシが、こんなことを言ったらしい。
「働く運命にあれば仕事は避けられない。だが、働く運命になければ、いくら探しても仕事は見つからないだろう」
つまり、現在の状況は運命なのだから、受け入れるべきである。
嫌な会社に毎日通勤する運命であれば、無理に辞めようとしても辞められるものではない。
成功した人の中には、勇ましく、「嫌な仕事はやめるべきだ」と言う人もいるが、それは出来ないのだ。
そんなことを言う人は、たまたま、自分はそんなことが出来る運命であっただけだ。

そこで、現状を肯定したまま、明確な目標を、少なくとも1つ立てなければならない。
例えば、その明確な目標が「作家になる」だとする。
その目標を忘れなければ、日常の中で、何かが起こる。それは、ささいなことかもしれない。
焦ってはいけないが、拒否してもいけない。
落ち着いた心で、起こることに柔軟に対応するのだ。
そうすれば、自然にうまくいくだろう。
だが、多くの場合、時が経つごとに、その「作家になる」という目標が、それほど魅力的だと思えなくなる。
その場合は、目標を変えることを躊躇してはならない。
目標の決め方、変え方については、『イット・ワークス』という、僅か30ページの本を参照することをお薦めする。
これは、最上の引き寄せの古典で、簡単でありながら、余計なことは一切書かれておらず、容易に正しい方法に取り組める。
インドの聖者、ニサルガダッタ・マハラジの明確な目標は、「私は至高の実在である」だった。
彼は、何の修行もしなかったが、この言葉を忘れなかったという理由だけで、7年で偉大な聖者になった。
彼の場合、この目標は師が与えてくれたのであり、師は、彼のことをよく知っていたのだ。
だが、我々は、自分の明確な目標は自分で決めないといけない。
そのために、『イット・ワークス』が役に立つだろう。








  
このエントリーをはてなブックマークに追加   
人気ランキング参加中です 人気blogランキングへ にほんブログ村 哲学・思想ブログ 人生・成功哲学へ