アメリカ大統領選挙そのものを論じるのではなく、これを楽しみながら、賢くなり、引き寄せがうまくなるヒントを得ようと思う。
私自身、政治に詳しい訳ではない。

日本では、CNNやニューヨークタイムズといった、アメリカのメジャーなメディアの「バイデン有利」という情報を、日本の新聞などがよく取り上げ、バイデン有利と思っている人が多い。
CNNの世論調査では、バイデンがトランプを7ポイント(7パーセント)リードと伝えている。
しかし、新興ながら大手メディアの1つであるFOXニュースは、トランプ有利を伝えている。
早い話が、元々、CNNは民主党(バイデン側)寄りなのであり、FOXニュースは共和党(トランプ側)寄りなのである。
報道内容を見ても、CNNは、バイデンと彼の息子のハンター・バイデンのウクライナでの汚職疑惑を一切取り上げないが、FOXニュースは大きく取り上げている。
報道先進国のアメリカでも、この程度なのである。
ただし、FOXニュースは、決して一方的にトランプに肩入れする訳ではなく、トランプに不利な報道もし、時に、トランプに厳しく非難されたこともあるのだから、まだ信用出来るように思う。
まして、日本のテレビ、新聞を鵜呑みにするような馬鹿をしてはならない。

1992年に、トランプのように、事業家でありながら、アメリカ大統領選挙に立候補した、ロス・ペローという大富豪がいた。
ペローは、昨年(2019年)7月に亡くなっている。
ペローは、共和党、民主党、いずれにも所属せず、無党派で立候補するという異例なことをしたが、一時はかなり善戦した(支持率トップになったこともあ)。そのままいけば、大統領になる可能性もあったと思われた。
しかし、いろいろな事情で、途中で立候補を取り下げた。
そのペローが、昔からトランプが大嫌いなことは有名で、彼はトランプを「ニューヨークの目立ちたがり屋」と言っていたが、ペローも相当な目立ちたがり屋だった。
トランプが目立ちたがり屋だということは、誰でも分かると思う。
それは、トランプが30歳そこそこで、ニューヨークの不動産王と呼ばれるほど成功した時から知られ、ファンも多いがアンチも多かった。
だが、トランプは、何事も必勝の秘訣は「目立つ」ことであることをよく心得ていた。
たとえ反感、不評、非難、糾弾であろうと、目立てば勝ちなのである。
このことは、トランプから学ばないといけない。
彼が目立って損をしたことなど一度もない。たとえ大批判であってもだ。
トランプの暴露本がベストセラーになるなど、実は、トランプにとって願ったり叶ったりなのだ。
マドンナら超有名人らの批判もである。
会社でも、出世するのは目立つやつであり、優秀なやつではないことはご存じと思う。
沢山の人の意識を集めさえすれば勝てるのである。
それを最大に活用したのはヒットラーだった。
これが、ユングが言った「批判するものは蔓延る」の意味である。

ところで、ロス・ペローは、
「戦おうとする時に、作戦を公表する馬鹿はいない」
という名言を残している。
しかし、バイデンは、この馬鹿をやっている。
正しくは、やったのはオバマだ。
23日の、トランプVSバイデンの討論会の2日前、ペンシルベニアでオバマがバイデンの応援演説をした際、トランプが中国に口座を持っていることを取り上げ、トランプはあれほど中国を攻撃しながら、自分は中国から利益を得ていると非難した。
これは、討論会でのバイデンの切り札だった。
だが、これをオバマがバラした。
オバマがやったことこそ、ペローの言う「戦おうとする時に作戦を公表する馬鹿」なことだったのだ。
トランプは、オバマのおかげで、中国口座問題に対し、すっかり対策を立て、バイデンから、このことを言われた時、完璧に対応した。
「当時私はビジネスマンだった。中国で事業をしようと思って、何の不思議があるか?」
「だから口座も開設した。だが、中国での事業は結局やめ、口座は消した」
「しかし、君(バイデン)は、ロシアから莫大な収益を得、君の息子は、副大統領だった君の口利きでウクライナで大儲けしてるじゃないか」
「私は事業家だったが、君はずっと政治家だ。中国、ロシアに対し、何もしなかったのはどういう訳だね?」

そして、CNNなどは無視していることだが、討論会では、トランプは見事にバイデンを引っかけた。
トランプが、
「君は石油産業を移行させるなんて言ってるが、君の計画は全く不可能だ。本当に出来るのか?」
とバイデンに言うと、バイデンは、
「出来る。私は断固、石油産業を自然エネルギーに移行する。石油エネルギーの環境破壊を食い止めるのが私の使命だ」
と答えるが、この時、バイデン陣営は真っ青になった。
今やアメリカは世界最大の産油国であり、石油関連事業は強大で、これに従事する労働者も多い。
バイデンは、アメリカの石油産業を敵に回してしまった。
バイデンは、後で慌てて弁明するが、ペンシルベニアなど、石油に頼る州で、今後、トランプは精力的な遊説で、
「皆さん、バイデンは石油産業を破壊するとはっきり言ったぞ」
と言い続けるだろう。
トランプの作戦に見事に引っかかる頭の悪い人を大統領にしようなどと、本当に思うのだろうか?

トランプの選挙手法は、ロナルド・レーガンと似ている。
レーガンは、教養ある相手候補が難しい話をするのを後目に、自分が大統領になれば、「アメリカは強くなる」「暮らしは良くなる」とだけ言い続けた。
庶民にとって関心事は、自分の生活と、アメリカ人である誇りだけで、難しいことに興味はない。
だから、レーガンの相手候補が言ったことは何も覚えていないが、レーガンの「アメリカは強くなる」「生活は良くなる」は、はっきり覚えていて、レーガンに投票した。
トランプも、一貫して「アメリカファースト」を掲げ、「アメリカを再び偉大にする」と言い続けた。
単純で解り易い言葉を使う重要性が分かると思う。
そして、CNNすら、トランプが経済政策で国民に支持されていることは認めざるを得ない。
彼は優秀なビジネスマンで、驚くべき大胆な手法で経済を盛り返し、コロナ前のアメリカ経済は絶好調で、国民も、暮らしの改善を実感していた。
経済で実績のある候補が負けたことは、ほぼないのである。
私は、個人的には、バイデンは大統領の器ではないと思う。
まさか、アメリカ人がバイデンを選ぶことはないと思うが、それはアメリカ人が決めることである。








  
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