昔の日本人は運動などしなくても身体が丈夫だったし、武士も、ランニングや筋トレなんかしなかったが肉体は強靭であったと思われる。
明治時代でも、剣道の日本選手権で上位に入るのは40代以上で、60代でも珍しくはなかったそうだ。歳を取っても、身体が強くなっていたからだ。
なぜそうだったかを考えると、まずは、自動車がなかったので、よく歩いたし、現代に比べ、何かと身体を使うことが多かったのだろう。
また、電灯がなかったので、早寝早起きだったし、余分な甘味もなかったので、糖分を過剰に摂らなかった(ただし、主食の米や麦で炭水化物は多く摂っていた)。
そして、解剖学者の養老孟司氏が著書で指摘していたが、毎日、長時間、正座をすることで、自然に腹筋や背筋が鍛えられた。
正座は背筋が伸びるし、身体を何かにもたれさせないことで、生涯に渡って身体が鍛えられたのだろう。
正座は最上のアイソメトリック・トレーニング(静的な筋肉トレーニング)なのだろう。

現代人が長時間正座をすることは考え難いが、それでも、電車などに乗ると、特に座っている人達の姿勢の悪さは悲惨だ。
これでは、中年以降、身体が悪くなるのは当然で、今や、若いうちから身体の不調に悩む人が多いのも仕方がないように思う。
とはいえ、普段、家の中でソファーでゴロゴロしているのだから、現実的に、なかなか「しゃんとした」姿勢をするようにはならないだろう。
その中で、たまにジムに行って筋トレをしたり、ジョギングをしても、かえって身体を壊すことが多いと思う。

普段の生活の中で自然に身体が鍛えられることが好ましく、それが出来れば、ダイエットに悩まなくても、良いスタイルでいられる。
そのために良いのが、アイソメトリック・トレーニング(静的筋肉トレーニング)である。
ただ、どうしても、アイソメトリック・トレーニングと言えば、1人力比べのような、顔を歪めて苦しそうにやるものだと思ってしまっている人が多いが、あれは続かないし、過度に力を入れて身体を痛める恐れもある。
肝心なことは、筋肉を収縮させることで、瞬間に大きな力を使うのではなく、弱い力で長時間行うことだ。正座のように。
その中で、ウエストを引き締めてナイスバディになる、こんな方法がある。
それは、今からお腹を殴られると思って、腹に力をぐっと入れることだ。
強い力で殴られるとしたら、万力を込めないといけないが、まあ、殴られたらちょっと痛い小学生あたりを想定すれば良い。
すると、自然に、お腹に適切な力を込められる。
これは、お腹だけでなく、棒で胸や腕、あるいは、脚を打たれると思って力を込めると、筋肉が適度に収縮し、結果、筋肉は発達する。
実は、これらによって、意思の力で筋肉を動かすコツが得られ、動き易い身体になる・・・こういうのを、「気が巡る」と言うのである。
科学技術の天才として歴史的に名高い二コラ・テスラは、若い頃、何かの作業でお腹を押さえる機会があり、腹筋がすさまじく鍛えられ、そのおかげか、60歳を過ぎても超人的な身体を維持していた。
それで言えば、何かでお腹を押さえ(別に手でも良いが)、それを腹筋で押し返すような運動をすれば良いだろう。
しかし、殴られると思ったり、想像で押されていると思って押し返しても、十分に効果がある。
大事なことは、あまりに力を入れず、軽い力を頻繁に入れるようにすることである。
よく、お腹を膨らませたり、凹ませたりといった運動が紹介されるが、そんなのが継続出来るとはあまり思えない。
動きが不自然で無理があるからだ。
秘教的トレーニングでは、風や水の流れに押されていると想像し、それに対抗することで、自然に筋肉が収縮し、彫刻のような美しい身体になるようだ。
私としては、時々立って、腹や胸を打たれても良いようにぐっと力を入れることで気を巡らせ、筋肉を鍛え、成果が上がっている。








  
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