藤本憲幸さんという、若くしてヨガのブームを巻き起こし、膨大な著作を残したヨガ研究家がいた。
2016年に69歳で亡くなられているが、元々は20歳まで生きられないと医者に言われた病弱な身体だったのだから、青年期から中年期以降までそれほど大活躍したのは奇跡と言えるのではないかと思う。
ただ、子供の時からの深刻な心臓の疾患が死亡の原因のようだ。
藤本さんは、今でいう、引き寄せのスーパーマスターでもあった。
彼の本で、こんな話を見たことがある。
彼は、これからヨガを日本で普及させようと思っていた若い時、外で、スケッチブックに、建設したいヨガ道場を思うままに描いていたらしい。
その時は、その道場はあくまで目標で、お金もなかったと思う。
ところが、そこを通りかかった人が、「何を描いているのですか?」と尋ねるので、ヨガ道場やヨガ普及の構想を話したところ、その人は「じゃあ、私が建ててあげましょう」と言って、何も見返りを求めないまま、本当に建ててくれたらしい。
藤本さんは(今で言う)引き寄せの本も、沢山書いていたと思うし、私も何冊かは読んでいるが、その中で私が非常にインパクトを感じたのは、彼の最初の本である『秘法ヨガ入門』の、本文としては、一番最後のお話だ。
驚異的な内容盛りだくさんのこの本を閉めるお話としては、あまりに、「ついでの話」っぽさはぬぐえないのだが、私の想像では、藤本さんも、この話の重要さを完全には理解出来ないながら、やはり、深い思いがあったのだと思う。

このお話は、藤本さんが講演会が終わって休憩していた時、1人の青年が尋ねて来るところから始まる。
当時、27歳くらいとはいえ、藤本さんは、すでにかなりの大物だったと思う。
一方、尋ねてきたのは、半年前に一度、藤本さんに人生相談に来た20歳の青年だった。
以前来た時、その青年は、内気でモジモジして、今でいうところの全くの引きこもりだったのだと思う。
その20歳の青年が、いまや、有名なヨガマスターの藤本さんに対し、威風堂々、藤本さんを格下扱いし、実際、「自分の方がはるかに上」と宣言し、藤本さんも初めは、「こいつ大丈夫か?」と思ったらしい。
しかし、この20歳の青年は、揺るぎない強い自信に満ち、淀みなく堂々と話し、実際、多くの人の敬服を受けていた。
そして、彼は、自分は、釈迦、キリスト以上で、空を飛べ、不老不死であると言う。
その青年との会話は詳しく掲載されていたが、私も、藤本さん同様、その青年の話は、どこか舌足らずとは思う。
しかし、引き寄せに関しては実に正しい。
また、「静か」であることを最重要視すること、いつも気分が良いことなど、この青年は本物であると思う。
引き寄せに関し、例えば、ダイエットの方法はこうだ。
食事を制限するとか、運動するとかの必要は全くない。
ただ、自分はすでに10kg痩せてすっきりした身体なのだという実感を味わえば良い。
私がそこで付け加えるなら、望み通りスリムな身体になった喜びや感謝を味わうと良い。
まあ、彼が言うように、スラリとした身体を実感すれば、嬉しいとか、有り難いという感情が自然に起こるのだから、同じことなのであるが、「実感」という言葉を真面目に受け取る人がいるから、あえて付け加えた方が良いと思う。
彼もまた、努力、修行は、全く不要と言う。
このお話を含め、他に貴重な面白い話もあるので、良ければ読んでみると良いと思う。
この本が、電子書籍で復刻したことは、私も嬉しいことだと思っている。








  
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