文明の発達と共に、仕事はもちろん、生活全般すら、機械的、人工的、非人間的になる傾向はあると思う。
その中で、あらゆることが競争的になり、自分と他人、他人と他人を比較し、ランキング付けし、優劣をつけるようになった。
それにより、「幸福=成功」と考えるようになり、どうやれば成功出来るか、他人に優ることが出来るか、他者(人、会社、国)に勝てるかの関心が高まり、成功哲学の人気が高まった。

そして、どうすれば成功出来るかというと、
・積極的・前向きに考える。いわゆるポジティブ・シンキング
・大きく考える
が支持されてきた。
しかし、これらは、一部のエネルギッシュな人間には役に立ったが、凡人には、ほとんど成果がなかった。
すると、
・利他的になれば成功する
という、宗教的な要素を取り入れた考え方が一部で人気が出た。
しかし、これも、高貴な感じはしながらも、実際の成果はほとんど出ないことが分かった。
珍しいところでは、
・超マイナス思考
と言って、最悪を想定しておいて進むという考え方を唱える者もいて、経営者や政治家など、頭が良い現実主義者には共感する者も多かった。

他にも、小さなブームを起こした考え方は、無数と言って良いほどある。
だが、真理が分かって来た。
それは、
・気分が良ければうまくいく
だった。
これで、あらゆる宗教の教え、賢帝の教え、大思想家の教え、成功哲学も統一でき、初めて実用的になったと思う。
逆に、これがないと、いかなる貴い教えも役に立たない。
釈迦の八聖道は、これで気分が良くなる可能性はあるが、気分が良くないなら、やっても幸福になれない。
倫理道徳を説く論語も、無為自然を説く老荘思想も、うまく使えば気分が良くなるが、そうでないなら、役に立たないただの「お勉強」だ。
積極的に考えること、大きく考えること、利他的になることも、それらで気分を良くすることが出来れば効果があるが、気分が良くならないなら、いくらやっても効果がなく、逆に、イヤイヤやって気分が悪くなれば、マイナスの影響が出る。
どんなことも、無理にやらされて不幸になる人が多いのは、そのためだ。

超マイナス思考は、「中島みゆき思考」と言われることもあり、「落ち込んでいたら、さらに落ち込ませて地獄に突き落とすことで、かえって気分をさっぱりさせる」ことで、効果がある場合もあるが、多くは、そのまま最悪の気分になり、救いようがない状態になった。

1万時間修練すれば一流になるという「1万時間の法則」は、イチローやテッド・ウィリアムズ(メジャー屈指のバッターの1人)のように、本当に好きで楽しくやれれば大成功するが、普通は、「気分が悪いまま100時間くらいやったところで脱落し、その後の人生も真っ暗」である。

大切なことはただ1つ。
良い気分になることだけである。
この世界は、「気分が良ければさらに良いことが、気分が悪ければさらに悪いことが起こる」仕組みになっているのである。
気分を良くするには、手っ取り早くは、無理にでも笑顔になり、ガッツポーズをすることだ。
少し練習が必要なやり方としては、今持っているものに感謝することで気分が良くなるというものがある。
例えば、着る服があること、乗る車があること、住む家があることなどに感謝することだ。
今持っている車がポンコツでも、それを持っていることに感謝すると気分が良くなり、そうすると、すぐに新しい車が手に入る。
高度なやり方としては、イエス・キリストが教えたように、既に願いが叶ったと思い、その喜びを味わうことで最高の気分になる。すると、願いは叶う。
全ては気分である。
競争など、本当は必要がない。
気分を良くすること以外、何もする必要はないが、気分を良くすることだけは自分の責任である。
あらゆる教えは、「気分を良くするには」の観点で学べば有益である。
いかなるつまらない教えも、この観点から学べば聖典であり、いかに高邁な教えも、この観点がなければ三文小説の値打ちもない。








  
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