梶原一騎氏原作の漫画『愛と誠』(1973-1976)で、政財界を影から操る超大物、座王与平(ざおうよへい)の一人息子、座王権太(ざおうごんた)は、知的障害を持ち、高校2年ながら、小さい子供と同等以下の知的能力しか持っていなかった。
その権太が、こんなことを言う。
「ワイ(私)がいくらアホやかて、人間は損得で動くということくらいは分かってるで」
それを聞いて、父、与平は言う。
「大抵の人間はそうだ。しかし、損得で動かない人間もいる」

面白いことに、最新のアニメ『かぐや様は告らせたい』で、資産二百兆円の大財閥の令嬢、四宮かぐやは、座生権太と正反対で、頭脳明晰な上、何でも出来る超優秀な、そして、超美少女であったが、権太と同じ観念を持っていた。
人間は、損得で動く・・・つまり、「打算で動く」と確信していた。
子供の時から、それを信じて疑わないかぐやは、外見が美しいこともあって、「氷のかぐや」と呼ばれる、感情を見せない冷たい少女に育った。
それで、皆がかぐやを怖がって近寄ってこない中で、藤原千花という女の子だけは、ずっと近くにいてくれたのだが、かぐやには、それが不思議だったかもしれない。
藤原千花は天然無垢な女の子で、単にかぐやが好きなだけであったのだが。
かぐやは、高校に進学し、ほとんどが小学校からエスカレーター式のこの私立の名門校の中で、高校から入ってきた、白銀御行(しろがねみゆき)という男子生徒に出会う。
白銀は、学年1の秀才でありながら、誰にでも親切で、困っている人を放っておかない。
その姿を見て、かぐやは、白銀も打算でそんな善行をしていると疑わず、いつか、化けの皮が剥がれると確信していた。
だが、そうはならなかった。
そこで、かぐやは気付く。打算なしで動く人間もいるのだと。
それで、かぐやは、ずっと友達でいてくれる藤原千花にも、何の打算もないことが、やっと分かる。

ええ話や(笑)。

ところで、スピリチュアル(霊的。超自然的)な思想・哲学を持つ人には、
「一見、損に見えても、実は、打算なしでいることが一番得なのである」
と言う人が多い。
そう言う人物が、売れていて儲かっているインフルエンサーである場合には、それを信じて、「得するために打算的でないよう振る舞う」という超打算的なことをやる変な人が増えて困るのである。
「打算なしの皮を被った打算」ほど悪いものはないからだ。

ところで、やっぱり損得の話になってしまうかもしれないが、「打算あり」と「打算なし」では、どっちが「お得」だろうか?
答は、実は、「打算と損得は関係ない」である。
損得と言ったら聞こえが悪いので、幸運・不運などと言うことも多いが、同じことだ。
打算と損得、打算と運は何の関係もない。
損得、運を決めるのは「気分」だけだ。
この宇宙の仕組みは、
「気分が良ければ、さらに気分が良くなること(得なこと、幸運なこと)が起こり、気分が悪ければ、さらに気分が悪くなること(損なこと、不運なこと)が起こる」
だけである。

打算があっても、気分が悪ければ、悪いことばかり起こる。
打算がなくても、気分が良ければ、良いことばかり起こる。

合わせて言えば、

打算のあるなしに関わらず、 気分が悪ければ、悪いことばかり起こる。
打算のあるなしに関わらず、 気分が良ければ、良いことばかり起こる。

ただし、こんなことは言えると思う。
打算も決して悪いとは限らず、必要なこともあるが、打算だけで動いていると、魂が傷付く・・・結果、気分は悪くなる。
打算も時には必要であるが、なるべく打算なしで動くと、魂が解放され、気分が良くなる。
マザー・テレサですら、世の中でやっていくためには、打算も必要と痛感したと述べている。
いかに聖女でも、世間的駆け引きは必要なのだ。
しかし、必要がない限りは、なるべく打算なしで動いた方が、結局は、気分が良くなり、良い出来事が起こり、良い状況になる。
ただし、いかに打算のない高貴な人間であっても、気分が悪ければ、ロクな目に遭わない。
我々は、打算のない人間を目指すべきかもしれないが、まずは、気分を良くすることが第一である。
そして、自分の気分は、自分で責任を持つしかなく、他者が自分の気分を良くしてくれることを期待するのは幼稚な人間である。
まずは、笑顔になり、ガッツポーズをすることから始めても良い。それで、必ず気分は良くなる。
さらに気分を良くするには、今持っているものに感謝すること、さらには、未来に持ちたいものを、既に持っていると思って感謝すれば、幸運を引き寄せる力はますます強くなるだろう。

ちなみに、1st PLACE社のボーカロイド、IAをデザインしたのは、『かぐや様は告らせたい』の漫画著者、赤坂アカ氏である。








  
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