大抵の人は、宇宙の大きさを大誤解している。
つまり、実際よりはるかに・・・という言い方ではとても足りないくらい、宇宙を小さく考えている。
そこで、「もし地球の直径が10円硬貨と同じなら、月までの距離がこのくらいで、火星までの距離が・・・」と説明していくと、予想よりあまりに大きいので、誰もが唖然とする。

同じようなものに、プロスポーツ選手やミュージシャン、俳優、YouTuberで食べていけるようになることが、どれほど厳しいかを数字で示せば、それらの志望者は呆然となる。
たとえば、毎日、必死で練習する高校野球選手の中で、甲子園でレギュラーになれる割合、そして、甲子園のレギュラーの中でプロになれる割合、プロになって一軍に定着出来る割合と見た上で、それでもプロを目指すのは、完全な馬鹿と言って差し支えないほどである。
その極めて小さな可能性の中で成功した人気歌手が「叶わない夢はないんだ」と歌っていると、思わず「嘘つき!」と言いたくもなるだろう。

何かのテレビ番組で、海外の事情に詳しい評論家が、「アメリカでは優秀な学生は、日本のように就職せず、みんな起業します」と言っていたが、よくそんな嘘がつけるものである。
起業する人は確かに多いかもしれないが、全く儲からないまま、下手したら借金を背負って廃業するというのが大半である。

モラルのないYouTuber・・・例えば、清潔にすべき食品庫に不潔な格好で入り込んだ姿や、その他、違法行為、迷惑行為を平然と行った無法な動画の投稿が、日本でも海外でも後を絶たず、これらを投稿する者達(大半は若者と思われる)のモラルが問題にされることがある。もちろん、こういったことをする者達にモラルがないのは確かだが、別の重要な問題がある。
それは、高校の弱小な野球部ですらレギュラーになれない者が、プロのスター選手になった気分を味わいたいという幼稚な願望を、なぜいい歳になっても持っているのかという問題だ。
つまり、実力でプロのYouTuber(まっとうな作品で視聴者を集める人達)になれない者達がプロの気分を味わいたいのだが、普通は、それなりの歳(遅くとも17歳)になれば、そんな幼稚な願望は卒業するはずである。
しかし、これは、利益を貪る大人達の責任もある。
どういうことかというと、普通の人ではなれるはずのない、成功するプロスポーツ選手やミュージシャン、俳優、YouTuberになれると思い込ませることで、業界の人気を上げ、大儲けしているのである。
日本人がノーベル賞を取ったら、あちこちで「子供サイエンス教室」みたいなものが生まれ「未来のノーベル賞受賞者は君だ」などと、あり得ない宣伝をして生徒を集めるし、それを見て、その気になる変な親もいる。子供に科学を学ばせることはもちろん良いことだが、そんな偽物の宣伝をする教室では、刺激的な上辺だけ面白い授業をするだけで、科学の基礎など身に付かないものだ。

子供のうちから教えておいた方が良いことがある。
それは、一流になるには、途方もない時間をかける必要があることだ。
プロの水準になるには、1万時間の訓練が必要で、毎日5時間やったとしても、5年半、3時間なら9年かかるということを、しっかり教えないといけない。
たとえ天才と呼ばれた人であっても、例外なく、そのくらいの時間をかけたことを、はっきり認識させないといけない。
いや、子供に教える前に、大人がそれを理解していないといけないのに、そんな大人は滅多にいない。
そして、もう1つの重要な事実がある。
プロスポーツ選手やミュージシャン、俳優、YouTuberなどで大きな成功を収める要因は、しょせん「たまたま」なのだ。
正直な成功者は、例外なく言うのである。
「私の成功の要因?たまたまうまくいっただけだよ」













当ブログ著者、KayのAI書。
良いAIを作るために必要なものは、問題を推測問題に捉え直すセンスと、データを扱うセンスです。
それは、数学、プログラミングが高度に出来るとか、学術的なAI理論に詳しいのとは全く別の能力です。
この本は、AIセンスを身に付けることが出来るよう工夫をしました。
一般的なAIの誤解を解き、普通の概念で分かるテーマや、知的に興味深く思えるテーマを選びました。
あくまで実践の本ですが、基礎的なChapter.1あたりは、高校生、あるいは、中学生でもこなせると思います。
  
このエントリーをはてなブックマークに追加   
人気ランキング参加中です 人気blogランキングへ にほんブログ村 哲学・思想ブログ 人生・成功哲学へ