イギリスの著名な魔法使いウォルター・アーネスト・バトラー(Walter Ernest Butler. 1898~1978)は、貴重な書『魔法入門』の中で、魔法の定義について、3つのことを取り上げていた。

まず、当時の通俗的な辞書では魔法の定義は、
「自然的原因を、驚くべき結果をひきおこすために応用する技術」
とあるが、バトラーは、これでは未開人にとって、ラジオや電話や飛行機が魔法になってしまうとして退けた。
次に、当時の魔法使いの1人が述べた、
「思うままに変化を起こす技術」
については、「ただの肉体労働や精神労働でも、そんなことが可能な場合がある」として否定した。
まあ、一般的には、これが魔法であるような気もするが、「変化」の範囲をはっきりさせないといけないという訳だろう。
そして、結局バトラーは、偉大な魔法使いダイアン・フォーチュンの定義を採用するが、それは、
「思うままに意識の中に変革をひきおこす技術」
であった。
なるほど、これは優れた定義であり、このような力を得れば、人間に不可能はない。
例えば、「自分はとてもではないがお金持ちにはなれない。頭は悪いし、人付き合いは下手だし、学歴もないし」と思っている人が、「私には隠された能力が沢山あり、それを発揮することで、お金持ちになれる」と信じることが出来れば、それが潜在意識の力によって実現するというのが、ナポレオン・ヒルら多くの成功法則の要諦であり、日本ではいまひとつ受け入れられていないが、アメリカでは高校の正式科目として教えられるなど、ごく一般的であるようだ。

魔法とは、「思うままに意識の中に変革をひきおこす技術」である。
しかし、バトラーも、フォーチュンも、そして、ヒルも、それが出来るようになるための難しい方法を提示し、魔法を実際に使えるようになった人は滅多にいない。
今年の初音ミクさんライブ「マジカルミライ2020」のテーマ曲を担当するピノキオPさんによる、「マジカルミライ2019」でミクさんが歌った楽曲『好きなことだけでいいです』にあったように、
「全人類の願いが叶ったら 地球が爆発するから」
ということかもしれない。

だが、簡単な「思うままに意識の中に変革をひきおこす技術」、つまり、魔法の使い方は存在する。
それは、私の経験的にも確実であるが、今回は自慢話は控えよう(これまで何度も書いたが)。
さっきの、自分は金持ちになることは不可能だと信じていた人が、自分も金持ちになれると信じるに至った意識の変革について考えよう。
それを実現する魔法の技術とは?
早い話が、自己暗示・・・これだけである。
だが、自己暗示(あるいは他者暗示)については、確かに沢山の人が指導しているのに、ほとんど成果は上がっていない。
その理由は、単に、「数が少ない」からである。
「私は金持ちになれる」という自己暗示で十分なのに、ある人は、「いや、『私は金持ちになりつつある』と言わねばならんのじゃ」とか、「いやいや、『私は金持ちになれました。ありがとうございます』という感謝の心が必要であるのだぞよ」と、好き勝手言うが、結局、どれも効果はない。
そうじゃなくて、「私は金持ちになる」と、千回、言えば良いのである。
ほとんど誰も、千回言わないのだ。
千回で駄目なら1万回。それで駄目なら10万回。
どういう原理かというと、人間の脳というのは、1分間に300から1000の言葉がつぶやかれていて、普通の人は、よほど気分が高揚した一瞬を除き、そのほとんどが否定的な言葉だ。
それを肯定的にすれば良いのだが、脳というのは、繰り返しで確実に変化するように出来てる。
最初の数十回、数百回は、肯定的な言葉に対し心が反発するが、千回も肯定的なことを言うと、脳が変化し、心は反発しなくなる。
よほど否定的な人でも、いつかは、唱えている言葉に従うが、そのためには、よほどのことがない限り、そんなに長くはかからないし、仮に、異常に長くかかったとしても、長い人生の中では、ほんの一瞬だ。そして、他に方法はないのである。
しかし、特に今は、「1分でOK」だの「1週間で出来る」みたいな言い方が流行りで、たったの千回に取り組む人がいない。よって、千回やれば、あなただけが勝てる。
また、せっかく、「口癖」としての自己暗示について本に書いてくれている人もいるのだが、余計な話を盛り込み過ぎて(本1冊書くとはそういうものなのかもしれないが)、読者の大半は、やる気をなくしてしまうのである。確かに、子供の時なら、1秒で千回唱える不思議な力を発揮することがあり、私もそれで何度も救われた記憶がある。そして、大人でも、自己暗示を重ねていけば、そんなことが出来るようになるかもしれない。
だが今必要なことは、ただ数多く唱えることである。

尚、ウォルター・アーネスト・バトラーの『魔法入門』は絶版で、古書があっても高価であるので、紹介は控える。
とはいえ、本来、優れた魔法書と言えども、もはや読む必要はないと私は思いながらも、面白いし、学ぶことは多いとも思う。








  
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