「腹が決まる」「腹が据わる」「腹を割る」等、日本人は腹の重要性を直感的によく理解している。
数千年に1人の聖者とも言われた松木草垣(まつきそうえん)氏は、ヘソが魂の座だと言ったそうだ。
それを聞いて思い出すのは、史上最高のプロレスラーと言われたルー・テーズが、彼の代名詞であった大技、バックドロップのコツを「ヘソで投げる」と言ったことだ。
プロレスがスポーツではなく、ショーだということは知られていると思うが、だからこそ、美しく投げ、そして、投げられる者に怪我をさせないよう、きれいに投げないといけない。つまり、バランスとスムーズさが必要で、そのためには、ヘソの力が必要だというのは興味深い話だ。バックドロップの使い手は多いが、テーズほど美しく投げるレスラーは全くいない。
ヘソの近くにはすい臓があるが、一説ではあるが、足立育郎氏の『波動の法則』では、潜在意識はすい臓にあるとしているのが、私には非常に納得出来る。
心を落ち着ける時には、みぞおち(すい臓のすぐ上)を落とすようにすれば効果的だが、それは、感情が荒れてみぞおちが痛くなった状態の時、そうやって感情を無意識の中に落とす・・・つまり、想いを根源的なものに明け渡すのだからだと思えるのだ。これは、イエスが「重荷を私に預けよ」と言ったことや、妙好人、因幡の源左が、自分が担いでいた草を牛に預けて悟りを開いたことにも関係があるように思える。
平井和正氏は非常に深い思想を持ったSF作家だったが、彼の作品によく登場する、中国の超人的スパイの林石隆(りんせきりゅう、または、リン・シールン)が、「危険が迫るとヘソが痒くなる」と言ったのも面白い。
武士が最大の誠意を見せて罪を償う時に腹を切るというのも、何か深い意味があるのかもしれない。そして、切腹する時に切るのはヘソの高さで、特に、十字に切る際には、ヘソ下まで切るのである。

ヘソに力を蓄える方法はいろいろあり、それをすることで気力が沸き、結果、勇気や元気が出る。
微笑を作ろうとしたり、顔を上げようとしても、うまくいかない時、ヘソに力を集めると間違いない。
そして、ヘソの力を高めるには、腕振り運動をしながら、腹に力を入れるとやりやすい。
武道でもダンスでも、臍を中心に動くことが極意であると言われることがある。
さらに、あらゆる運動で、臍を意識し、臍を安定させることが大事である。
私は、毎日欠かさず、腕振り運動や四股(大東流合気柔術式が良い)を千回以上行うが、臍が横方向に全く動かないようにやることが極意であると思う。
この2つの運動は、肉体の根本と霊に対し、最も優れた運動であると思う。
この2つをやれば、気が集まり、霊的な力が高まり、不可思議な力が発揮されるかもしれない。
おそらく、肉体とエーテル体を調和させ、活力を高める作用があるのだと感じる。
そうだとすれば、自ずと運も良くなるのではと思う。











  
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