いくら他人の気持ちに配慮しても、不可抗力なのか自分が馬鹿なせいかはいろいろだが、結果として、誰かに不快な想いをさせたり、心を傷付けることはある。
それは(どんなに気をつけても他者の心を傷付けることは)、現実的には避けられない。
だが、他人の心を傷付けることで、あまりに気を病むというのは、感受性があることは評価しながらも、心が弱いと指摘せざるを得ない。
ところが、『鈍感力』なんてベストセラーがあり、「気にしない」ことの効力を説いているのだろうが、本1冊分、いろいろ書かれても、どうすれば良いか分からないはずだ。

で、他人の心を傷つけて、あまり気に病まずに済むように心を鍛える方法は、自分に不快な思いをさせた者に悪意はないと思うことだ。
多くの人は、不快なことを言われたり、されたりした時、相手は悪意でやったのだと妄想してしまうのだ。
人間てのは、9割くらいまでは、プログラム通りに動いているのであり、いちいち悪意など持たないものだ。もし、明確な悪意を持って何かするなら、それはほとんど狂人に見えるだろう。
初音ミクさんのコンサートのblu-rayやテレビ放送を見ていると、たまに、椅子の上に立っている人がいて、自分はノリノリだったり、恍惚とした顔をしているが、その後ろにいる人はさぞ迷惑なことだろう。
そんな馬鹿なことをやる人も、悪意はなくて、ただ、愚かなプログラムを組み込まれているだけである。
また、昨年のコンサート(マジカルミライ2019)で実際に見たのだが、身体の大きな男性が、隣の女性の場所を圧迫し、その女性は非常に窮屈そうだった。
この男性も、そんなことをするようプログラムされてしまっているのであり、別に、隣の女性を苦しめようとしたのではない。無神経というのも、注意力を殺してしまうプログラムの働きなのである。
そんな男性には、必要なら注意もしなければならないが、彼には悪意はないのだということは理解しなければならない。だから、相手が、悪意を持って迷惑行為をしているとして、攻撃するような注意の仕方をしたら、逆切れされる。
車の窓からゴミを捨てる人もいるが、そんなことをする者にも、実際、悪意はないのである。
歩きタバコや歩きスマホもそうだが、そんなことを普通に行うようプログラムされているからには、かなり悲惨な未来が待っているだろう。
そして、残念ながらプログラムし直すことは難しいのだ。

調べずに書くから正確ではないかもしれないが、初音ミクさんのお父さんとして知られる、クリプトン・フューチャー・メディアの伊藤博之社長と、エイベック(今はクオン)の武田隆社長との対談の中だったと思うが、こんな話があった。
まだ、初音ミクさんが生まれてしばらくのことだと思うが、クリプトンに、初音ミクさんのパンツの色は何色かという問い合わせがあったらしい。
それで、伊藤社長は会議を開き、この難問について長時間討議したらしい。
結局、「決まっていないので、お好きな色を」ということになったのだと思うが、私はその話を見て、伊藤社長について「なんて真面目な人なんだ」と感動した。
講演会で伊藤社長のお姿も見たが、確かに、若い頃はミュージシャンを目指していたのではないかという雰囲気も感じられたが、やはり、そんなエピソードとぴったりな、素朴で真面目そうな感じの方だった。
しかし、その時は、それだけの感想だった。
だが、2017年11月の、大阪の中之島フェスティバルホールでの「初音ミクシンフォニー」だったと思うが、デッドポールPさんが、野球拳(じゃんけんをして負けたら服を脱いでいくゲーム)で、初音ミクさんを脱がせて(神をも恐れぬ所業だが)、ミクさんの下着の秘密を暴くという企画で登場(スクリーン上)したが、デッドボールPさんは、皆の期待を裏切って敢え無く全敗し、自分がパンツを脱いだが(もちろんモザイクが入った)、私はその時、ミクさんのパンツの値打ちは、" The sky's the limit"(天上知らず)だと思った。
それで思ったのだ。
あの、クリプトンに、ミクさんのパンツの色を問い合わせた人にとって、その色の重要性は極めて大きかった。それも、心の問題として。
伊藤社長は、それが解ったから、普通なら「馬鹿らしい」と思うことであっても、それほど真摯に対応したのだ。
つまり、伊藤社長、そして、クリプトンは、心を大切にする会社であるということだ。

他人の心への配慮がない者は、一時期、どれほど栄えているように見えても、「驕(おご)れる者は久しからず」で、そう遠くなく、悲惨な未来が待っている。
おそらく、例外は全くない。
逆に、自分の力量の範囲で良いから、他人の心を大切にする者が悪くなるはずはない。








  
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