SFアニメ『BEATLESS』で、巨大テクノロジー企業ミームフレームの常務が、こんなことを言う。
「社員5千人の生活は保証しなくてはならない。これは最優先事項だ」
ちなみにこれは、西暦2105年の話である。
作品は海外でも放送されているはずだが、もしかしたら、終身雇用という概念のない、多くの国では奇異に感じるかもしれない。
日本でも、終身雇用はなくなると言われて久しいが、現実には、その気配はほとんどないと言って良いのではと思う。
定年年齢が60歳から、やがて、65歳に引き上げられ、いずれ70歳になるのではと言われており、さらに、再雇用制度が出来、定年になっても、社員が希望すれば、5年延長して雇用することを企業は拒否出来ない。
これは、終身雇用の崩壊どころか、就寝雇用の強化である。
一頃、日本の企業が世界で圧倒的強さを見せていた時、海外では、日本の、会社と社員が結婚でもするかのような、あるいは、会社とは家族であるかのような考え方は、肯定的に捉えられることもあった。最近は馬鹿にされる傾向すらある、そんな日本のやり方にも間違いなく良い面はある。
ところが、ご存知のように、終身雇用の考え方のマイナス面が出てくるようになった。
多くの会社で、生産性の低い社員が負担になり、現実的には、上司は、駄目社員を辞めさせることも、明らかな仕事になっている。もちろん、駄目な社員を成長させて有能な社員にすれば良いのだが、それは非現実的な理想であり、社員の教育なんて途方もなく難しいことを、普段の仕事をしながら出来るはずがないし、そもそもが、その上司自体が、会社にとってお荷物である場合が多く、上司の方だって、馬鹿でない限り、それは解っているのだから、何が何でも部下を辞めさせなければならない。
そこで、社員イジメのようなものが起こり、そのやり方が下手だと労働監督局にバレて問題になるが、実際は、そんなもの、いくらでもあるだろう。
定年になった社員が希望すれば5年の延長雇用をしなければならなくても、それを「全社一丸」となって阻止するため、あの手この手が使われていることだろう。

昔、経済成長期には、大手企業は、社員の家族を会社に招いて、自慢の工場や最新施設を見学させ、お土産まで用意して、社員の家族にも、会社を好きになってもらえる努力をしていたが、それは、下心あってのことではなく、本当に心というものを大切にしていたのだし、それが結局は、会社の発展につながると、経営層も理解していたのだ。
日本の終身雇用を決定的にしたのは松下幸之助だと言われるが、実際は、それ以前から、従業員を大切にすることは日本の伝統だった。
しかし、不況で、松下電器の幹部が、松下幸之助に社員のリストラを進言した時、松下はそれを許さず「仕事がなければ掃除をさせれば良い」と言ったという話は有名だ。
それで、松下に恩義を感じた社員達はやる気を出し、アイデアと献身的な働き振りで、会社の危機を脱したばかりか、世界的企業に発展させた。

結局は、心を大切にした者が勝つ。
これは、決して、社員等を甘やかすということではないが、厳しい面があるとしても、愛する家族や友人に対するような厳しさであり、利己的ではなく利他的である。
ところが、今の日本にはそれがない。
だから、いくら制度として定年を延長しても、企業の発展はなく、むしろ、倒産につながったりする。

最近、私は、『まちカドまぞく』というアニメの全12話を、もう20回くらい繰り返して見ている。
これは、伊藤いづもさんによる原作漫画に忠実で、私は原作の方も読んでいる。
もちろん、漫画らしく冗談めかしてはいるが、魔法少女、千代田桃の、主人公、シャミ子(吉田優子)への愛は眩いばかりで、まさに、忘れていた日本の心を彷彿とさせる。
桃は、もう少し成長すれば、理想の社長になれそうだ。
『まちカドまぞく』を見れば、日本は復活するだろう。
また、今回は説明しないが、「まちカドまぞく」という言葉は、マントラ的にも素晴らしいと思う。








  
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