人間が大勢いるどんなところでも、グループというものが出来る。
グループを作りたがるのが人間の習性だ。
人間は、1人でいることを嫌い、グループに所属したがる。
グループの方が個人より強いので、グループの力が自分の力だと思うと安心なのだ。逆に言えば、グループに属さず、1人でいることは、弱くて不安だ。

1人で複数のグループに入ることもある。
運動能力の高い者が、陸上部と野球部の両方に入るようなものだ。
この場合、うまくやれば、その者は、2つのグループから恩恵を受ける。
一方、元々、その学校というグループに所属しているのだから、1つのクラブ活動に入れば、2つのグループに属していて、この場合は、クラブ活動というグループの恩恵がある分、クラブ活動に入っていない者より強い立場が得られる可能性が高い。
企業も1つのグループで、従業員はそこに所属することで、給料だけでなく、グループに所属する安心感を得られる。
社長や幹部達は、その企業というグループに属するだけではなく、経営者のクラブや企業交流会というグループに所属し、さらに立場の強化を計る。権威あるクラブに、さらに、複数の権威あるクラブに所属するのが、より好ましいのだと思う。

いろいろグループに入るメリットを挙げてきた。
しかし、グループほど気色悪いものもない。
真の自分を感じることが出来る者は、決してグループに入りたがらない。
だが、社会は、グループに入らない者を許さず、1人でいる者が弱者になる仕組みを作り上げている。
それで、狼は牙を隠し、鷹は爪を隠して、犬のふり、トンビのふりをしてグループに入るが、狼や鷹にとって、グループの気色悪さは耐え難い。
想像だが、イチローは日本の野球界にはグループというものがあり過ぎるから、そこにいたくなかったのだろう。
一方、メジャーリーグには、あまりグループというものがなく、居心地が良かったのだと思う。
今回は説明を省くが、メジャーリーグのチームは、まさに「チーム」であり、グループではないのだろう。
グループを気色悪いと思う狼や鷹タイプの者でも、チームだと喜んで参加するのである。

真の自分になりたい者は、グループを離れ、狼でいることだ。
そして、爪と牙を磨いていれば、やがて、チームの仲間とも巡り会えるだろう。
一方、自分が所属するグループの悪口を言い、そうやって一匹狼を気取るが、そのくせ、グループから離れない者(これが一番多いと思う)は、一番駄目な飼い犬なのである。
そんな者は卑屈で、学歴を頼ったりするが、真の実力は何もない。
何でもいいから、1つのことを磨き、狼でいることだ(企業にいても構わない)。
それは、永遠に一匹狼でいることではない。狼のチームはまた一匹の狼であり、それは、進化した生命体である。








  
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