スマートフォンが普及した影響で、PC(パソコン)を使わない、あるいは、使えない人が増えているらしいい。
大学生でもPCを使えず、就職した会社で、PCの研修を行うという珍現象が起きている・・・いや、今は、それを「珍現象」とは言えないかもしれない。
スマートフォンやタブレットには、当然、良い部分も多いが、PCに対するデメリットも非常に多い。
スマートフォンに慣れた人には、PC不要論を唱える人もいるかもしれないが、創造性を含め、圧倒的に多くの点で、スマートフォンはPCに到底及ばない。それを事細かに検証する気はないが、事実である。いや、スマートフォンしか使えない人が増えると、相対的に自分が強者になるので、それはそれで良いことかもしれないと思うが、人々の能力が下がると、表や裏の支配者の力が強くなってしまうので、世の中は住み辛くなる。

電車の中で、特に若い女性等が、スマートフォンのタッチパネルを片手の親指で猛烈な速さでタイピングするのに驚くことがある。
しかし、いかに速く入力しているように見えても、キーボード基準で言えば、ごく僅かな文章量を入力しているに過ぎず、実際、彼女達が書いている内容は、短い上に単純なものばかりだ。
無論、複雑なものごとをシンプルな言葉でズバっと示せるなら、それは素晴らしい能力であるが、そうではなく、他愛ない、そして、決まりきった表現ばかりの場合が圧倒的に多いはずだ。そうであれば、手を使ってパターン通りのことをすれば、思考力が制限されて、それが固定されてしまうので、これほど恐ろしいことはないだろう。
つまり、ものを考える能力が、どんどんなくなっているのである。
長時間、スマートフォンを使っている人は、普通に考えて、思考力を失っている可能性がかなり高いだろう。

電車の中で、フィーチャーフォンの時代から、ずーっと携帯電話の画面を見ている人がいるが、今でも、それを異様に思う。
LINE等をやってると、既読無視されるのが嫌であると共に、既読無視するのを恐れて、画面から目を離せないこともあるらしい。
そりゃ、それなりに重要な用件ならチェックすべきだろうが、言っては悪いが、大したことない用件が多いだろうし、その大したことない用件の中に、重要なものが稀に混じるというだけでも、やはり、ずっと見ざるを得なくなるのかもしれない。
それなら、他愛ないLINEをやめればよさそうなものだが、今は、それが他人と絆をつなぎ止めておくものになってしまっている人も多いのだろう。

国際的なITコンサルタントで、高齢ながらITに極めて強い人が昔、「PCに強くなるにはどうすれば良いか?」と尋ねられたのを、私は近くで見ていた。
そういえば、「PCに強くなるにはどうすれば良いか?」という質問は、なつかしい種類のもののような感じがするが、今の時代にこそ必要なのである。
そのコンサルタントは、「速くキーボードを打てるようになること」と答えた。
ところで、では、高速でキーボードを打てるようになるにはどうすれば良いだろうか?
決まっている、沢山キーボードを打つことである。
それには、普通は、沢山、文章を書くしかないし、プログラマーならプログラミングすることだし、ボーカロイドのクリエイターなら、曲を沢山作ることだろう。
なるほど、スマートフォンのタッチキーを速く打てる人は、ある意味、スマートフォンに強いのだろうが、打てる文章量はキーボードに比べ、はるかに少ないし、出来ることの範囲も限られている。

まあ、電車の中で大きなノートPCを出して、大きなタイプ音を立て、横の席の人に肘をぶつけている無神経バカもよく見るが、そんな連中というのは、そのPCを使って、せいぜいがスマートフォンレベルのことをしているのである。電車の座席などで使う限り、PCもスマートフォンと効率は変わらない・・・いや、劣る場合が多いので、そんな場所では、スマートフォンかタブレットを使えば良いのである。そんな使い分けが出来ない者が有能なはずがない。
もちろん、バッグの中に、小型のノートPCを忍ばせ、使うべき場所で使うのは良いことである。








  
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