大科学者でも、子供の頃、必ずしも秀才だった訳ではない。とはいえ、そうひどいことはなかったと思うし、何より、勉強するのに全く不向きな家庭で育ったということはないだろう。
昔であれば、家には深夜に灯りがなくて、街灯の下で勉強して、裕福な家の子を超える成績を取ったなんて話もあったが、今は、なかなかそうはいかない。
実際、例外はあろうが、調査によれば、一流大学の学生の家庭は、少なくともそこそこ以上には裕福だそうだ。
今年の東大の入学式の祝辞で、上野千鶴子氏が、「これまであなた方(東大新入生達)がうまくいったのは、努力したというより環境のおかげ」と言っていたが、全くそうだろう。
私は、アインシュタインやフォン・ノイマンらと同等以上の才能を持ちながら、一介の、そして、劣悪な環境で働く労働者で終わった人すら、いくらでもいると思う。
『ぴたテン』という漫画で、小学6年生の天(てん)ちゃんこと綾小路天 (あやのこうじたかし)は、塾にも行かずに、一流私立中学を目指す子達も多い中、学年トップの成績だった。しかし、実は、彼の父親が寝たきり状態で入院していて、母親が働いているが、塾に行くお金がなく、それでも、他の子に負けたくなくて1人で賢明に勉強していたのだ。しかし、今はそんな努力が報われることは難しい。良い塾はやはりノウハウがあり、その分、学費も高く、1人の小学生の努力で太刀打ち出来るものでもない。
(アニメでは、このような事情は描かれず、単に、綾小路天は優秀であるといった感じの設定だったと思われる)
まあ、塾のノウハウが、本物の能力を与えることは全くないが、まだまだ学歴の有利さは大きなものだ。

ただ、インターネット時代は、環境による有利不利が小さくなっているのは確かで、環境が異常に悪くても、才覚で逆転することも可能な場合が増えると思う。
米津玄師さんのような優れた人だって、インターネットと初音ミクさんがなかったら、ひょっとしたら、デビューすら出来なかったかもしれない。

逆に、今、うまくいっているとしても、それは「たまたま」だということを自覚しないと、これからの世の中ではあっさり墜落する。
家庭環境が良くて、たまたま良い大学を出た程度で、今は割と良い立場でいられるが、それは、努力したからではないし、まして、優秀だからでもない。
実際、人類を前に進める本当に優れた人達は、1人の例外もなく言うのだ。
「私がうまくいったのはたまたまだ」
と。
そして、スティーブ・ジョブズがスタンフォード大の卒業式で言ったように、今やっていること(点)が将来(の点)につながると信じるしかないのである。

たくさんの点は線になって
遠く彼方へと響く
~『Tell Your World』(作詞・作曲・編曲:kz。唄:初音ミク)より~

(夢じゃない)願い込めTell your world
~『未来序曲(2017年版)』(作詞・作曲・編曲:Mitchie M。唄:初音ミク)より~








  
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