引き寄せの法則には、2通りがある。
それは、具体的な願いを願うものと、具体的には願いを述べないものの2つである。
これは、結構重要である。
古典的なもので言えば、科学的なクラウド・ブリストルでは、「1億円」とか「専務の地位」といった、具体的なことを願う。
だが、宗教的(キリスト教)のノーマン・ヴィンセント・ピールでは、聖書の言葉を唱え、具体的な願いは述べない。聖書においては、「神はあなたに必要なものなど、とっくにご存知」だからである。
両方が混じったのが、ジョセフ・マーフィーや、フローレンス・スコーヴェル・シンだ。聖書の言葉を唱えつつ、具体的な要望をはっきりさせ、それを願う。

どちらが良いかは、本人の気質によるだろうが、具体的な願望は言わない方が良い。
クラウド・ブリステルだって、本来は、せいぜいが、「豊かになる」とか「うまくいく」、あるいは、ぼんやりと、「そうなればいいなあ」程度の想いを持つことで、それを実現させた。
マーフィーも、スコーヴェル・シンも、実際には、聖書の言葉を重視し、具体的な目標を言わないやり方を教えている場合が多いのである。

ただ、新しい成功法則では、「願望は、金額や、達成期限まで明確にせよ」と教えるものが多い。
ビジネスマン向けには、そっちの方が良いのである。
しかし、これは、一般的にはマイナスになる。
なぜなら、プレッシャーで緊張するし(それが良いという教えもあるのだが)、何よりも、違和感を感じたり、薄汚れた欲望を持ち勝ちである。
古典的で純粋な教えである、RHJの『Ii Works』では、具体的願望を記すのであるが、書き換え自由であるとして、そんな弊害を緩和している。

特に、日本人の場合は、願いは具体的にしない方が良いと思える。これには、異を唱える者もいるだろうが、そんな者達は、違和感に苦しまず、どんどん願いを叶えているのだろうか?そうではないように思う。
神様と呼んでも、宇宙エネルギー、あるいは、潜在意識と言っても良いが、そういった深層の英知が、我々の願望を知らないはずがない。
しかし、それを自意識で言葉にすれば、大抵は悪い方に歪むのである。

昨日もご紹介した、1967年の時代劇『剣』の第1回、『天下一の剣豪』で、無敵の剣豪、戸沢一刀斉は、「あなたは日本一です」と語りかけてくる刀の力で、天下に敵はいなかった。
この脚本を書いた人は、実に知恵がある人だろう。
剣が語りかけてくるのは、「あなたは次の誰それに勝ちます」だの、「あなたは日本一の剣の達人です」でもない。
「あなたは日本一です」なのだ。
そして、戸沢一刀斉は具体的には、剣で天下一でありたいことは、大きな存在には、言わなくても解っているのである。

「私はうまくいく」と言った時、どんなことでうまくいけば良いのか知らないのは子供である。
だから、子供の夢は、眠っている夢の中でしか叶わない。
大人が、くどくど具体的な願いを言うのは、神様とか宇宙の活力を信頼していない証拠である。
だが、「多くの人間の問題は、具体的な目標がないこと」と言うのもまた真理である。
しかし、それは、生き方の問題である。
夢や目標がないというのは、怠慢で、弛んだしまっているだけだ。
人間らしく生きていれば、「ああなりたい」「あれが欲しい」なんて目標は、いくらでも現れる。
そうでないなら、生き方を反省し、改めた方が良いだろう。
「具体的な目標は?」というのは、自分では解っていても言う必要はない。だが、ディテール(細かいこと)ははっきりしなくても、自分では知っていなければならないのである。その訓練の意味では、『It Works』は良いのではないかと思う。









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