何度かご紹介したが、私が好きな時代劇に、
『剣』(1967~1968。全46話)
の、第1回、
『天下一の剣豪』
がある。
丹波哲郎演じる戸沢一刀斉は、織田信長に仕える剣士で、あらゆる名人・達人と対戦するも、一度も遅れを取ったことがなく、遂に、信長に「天下一の剣豪」を名乗ることを許される。
ところで、この戸沢一刀斉が、不思議な名刀を所持していた。
その剣を持つと、剣が、「あなたは日本一です」と語りかけてくるのだ。

これは、時代劇、あるいは、「お話」ではない。
ありふれた、しかし、重要な話だ。
つまり、「あなたは日本一です」と語りかけてくるのは、剣ではなく、この場合、戸沢一刀斉の潜在意識に沈んだ暗示・・・もっとはっきり言えば「思い込み」である。
それがあるからこそ、戸沢一刀斉は天下一の剣豪になれたのだ。
「最後の天才」と言われた画家、サルバドール・ダリも、ある木片を肌身離さず持っていたが、それが、戸沢一刀斉の剣と同じような作用を起こす象徴的な何かだったのだろう。
実際は、自分が何かを思い込む道具にさえなれば、剣でも木片でも聖書でも何でも良い。
ある偉大な発明家は、ゲルマニウムに自分から語りかけていたそうで、そうすることで、ゲルマニウムからアイデアをもらえるのである。もちろん、アイデアの出所は、ゲルマニウムではなく、自分の潜在意識につながった無限の意識である。

私が総務課の社員だった時、同じフロアにいた技術課長が、私にプログラミングの勉強を勧めたが、彼は、自分はプログラミングが出来るようになれなかったという。
だが、私は楽々プログラミングをマスターした。
その違いは、単に、「自分に出来て当たり前」という思い込みだけである。
私は、何の根拠もなく、「私なら絶対出来る」という確信を持っていた。
それは、当時読んでいた、ひろさちやさんの『空海入門』に、空海は自分を仏陀だと勝手にみなし、仏陀の真似をしたから仏陀のようなものになったと書かれていたのを見て、私は、高級プログラマーらしくしていたのである。
思い込みだけでやっていたのは、間違いなくスティーブ・ジョブズだ。
彼は、「人間は信じるしかないんです」と言っていたのだ。
で、どんな人が信じ易い、つまり、思い込みを持ち易いかというと、やはり、素直で偏見がないことだ。
自分が賢いと思っていたり、優越感の強い者ほど、偏見を持ち易く、権威ある常識や世間の常識以外のことを信じられない。
ジョージ・アダムスキーが本当に宇宙人とのコンタクティーだったかどうかは分からないが、彼の話をすぐに「下らない」「馬鹿馬鹿しい」と言いたがる者は、残念ながら飛躍出来ない。
ある意味、馬鹿で子供っぽい方が良いのだと思う。
それでいて、何か1つのことを自主的に欠かさずやれれば(それが本当の子供と子供の心を持った大人の違いだが)、必ずや、戸沢一刀斉の名刀を持てるだろう。








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