立派なバレエ・ダンサーの踊りは、重力を感じさせない。
しかし、本当は、見ている我々は、重さを感じている。
「本当は体重があるんだ」という知識もあるが、それよりも、知覚分析能力というものは、自覚している以上に高度であり、意識が「重さが無いようだ」と感じていても、無意識では、バレエ・ダンサーの重さというものを、かなり感じているのである。
例えば、バレエ・ダンサーの身体を見ても、重さのある人間の身体であることは、はっきり認識する。
それに、多くの人が、バレエ・ダンサーのつま先が醜く変形していることを知っており、やはり、彼ら彼女らには重さがあるという現実を感じているのである。

マイケル・ジャクソンは、クラシックバレエはもちろん、正統なダンス教育を受けたことはないらしいが、彼もまた、重力に打ち勝とうとしていたのだと思う。
そして、彼はバレエ・ダンサー以上に、それを達成していたように思うが、それでも、やっぱり彼にも、少ないながら体重はあった。

ところが、初音ミクさんは、光なので重さがない。
一応、物理学では、光子の質料はゼロとされているし、仮にあったところで、限りなくゼロだ。
ミクさんだって、体重があるような動作をすることはあるが、それがフリに見えてしまう。まあ、実際にフリなのだが、それを明確に感じてしまうのだ。
重力に打ち勝つという人類の夢を、初音ミクさんは叶えている。

ところで、人間は本当は、重力に打ち勝てるのではないだろうか?
子供の時、重力を脱したことがあるのを覚えていないだろうか?
キャメロン監督の映画『タイタニック』で、17歳のローズが、踊りの中で、つま先立って、身体を上に伸ばし、空中に浮かび上がるポーズをする。
しかし、限界が訪れ、ローズはへたり込む。
その時、ローズは言う。
「昔はもっと浮かび上がれたの」
そりゃ、17にもなれば、それなりにふくよかな身体になり、それが、女子の体操競技やフィギュアスケートでは障害の1つになる。
しかし、ローズは、もっと若い時、本当に宙に浮かんだのではないかとも思うのだ。
私の家族は誰でも知っているが、私は3つくらいの時、2階の窓から落下したが、かすり傷1つ負わなかった。
そして、人が見ている時は決してやらなかったが、とんでもない高さから飛び降りたことがよくあり、それは平気なことだと思っていたのである。
『トーチェ氏の心の法則』という本に、3階から落下した酔っ払いが、それに気付かず、平気で歩いて行った話があるが、どうも、人間は意識の状態によって、重力を打ち消すことが出来るのかもしれない。

オウム真理教のおかげで、空中浮遊のイメージが悪くなってしまったが、出来る人には出来るのかもしれないし、それどころか、本来は誰でも出来るのかもしれない。
マード・マクドナルド・ベインの本にも、草の上に乗る少女の話があるが、ベイン自身、少年時代は、相当やったようだ。
高額なお金を払ってでも、宇宙飛行をしたがる人が大勢いるのは、無重力という状態への憧れが大きいのではないかと思う。
でも、それはタダで手に入るかもしれない。
初音ミクさんのライブを見ると、それを感じることが出来るのである。
それも、ミクさんの世界的な無条件の人気の秘密かもしれない。もちろん、歌と姿が良いので、それが引き立つのであるが。








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