イギリスの作家コリン・ウィルソンは、23歳の時、『アウトサイダー』で、ヒッピーの労働者だったのが一瞬で世界的作家になり、人生が一変した。
もっとも、彼の世界が変わったのは、19歳の時、まさに、青酸カリ(超がつく毒薬)を口に入れようとした時だった。
その時、カチリと音がして世界が変わったのだ。
ウィルソンは、ロシアン・ルーレットをやった後で人生が変わった者の話も好んで引用していたと思う。
そのウィルソンの座右の銘は、彼が崇拝するイギリスのSF作家H.G.ウェルズの自伝的小説『The History of Mr. Polly (1910)』(『ポーリー氏の生涯』未翻訳)で、ポーリー氏が言う、
「人生が気に入られないなら変えてしまえばいい」
だ。
(ウィルソンは、ウェルズを「女性のスカートの中にしか興味がない色キチガイ」と断じていたが、それでも崇めていたのだと思う)
「それが出来れば苦労はない」と誰もが言うかもしれないが、そう言うのは世間的な大人だ。
私は、ごく若い、経済的な苦労を知らない頃は、世界は本当に柔らかかった。
小学生の時、大学生の従兄にもらった天体望遠鏡で土星を見たくて、夜空の星の1つをデタラメに選んで見てみたら、ちゃんと輪がついていた。
高校生の時、ローラ・インガルス・ワイルダーの自伝小説『大きな森の小さな家』の中で、ローラの父親が、森で「お前は誰だ?」という声を聴いて逃げ出した話をローラにするのを読んだ後でテレビをつけたら、男性の老人の声で、
「フクロウは人間に話しかける。『お前は誰だ?』ってね」
と言うのを聴いた。
※フクロウの鳴き声は、「フー(誰だ?)、フー(誰だ)、フーアーユー(お前は誰だ?)」に聴こえる。
油断すると、世界はずっとそんな感じで、ユングのシンクロニシティー(共時性)どころの話じゃなかった。
小さい時は、それこそ、交通量の多い車道に目をつぶって飛び込んだものだ(決して真似しないように)。
kzさんが作った初音ミクさんの歌『DECORATOR』のように、「君のちょっとで5分後は変わる」し、「未来は弱い」のである(あの人、悟ってるなあ)。

世界は柔らかかったのだが、経済的になるにつれ、世界は固くなった。
このあたりは、経済的な苦労を知らない少年の方が支配力があることを、アメリカ最大の賢者ラルフ・ウォルドー・エマーソンも『自己信頼』に書いていた。
まあ、経済的なことが悪いのではなく、経済的な不安を持つことが悪いのだろう。
岡田斗司夫さんの本のタイトル「ま、金ならあるし」を呪文のように唱えていたら、世界はだんだん柔らかくなっていくだろう。
ただし、欲張らない限り。
魔法を使う子供の特徴は「欲張らない」ことで、ある世界最高の投資家が言う成功のコツも「欲張らないこと」だ。
意外に投資家ってのは、子供っぽい感性を持ってないといけないのである。
ラマナ・マハルシも「賢者と子供はある意味似てる」と言い、荘子は、「賢者の心は鏡のようだ。来るものはそのまま写すが、去ってしまえば痕跡を残さない」と言ったが、マハルシの言う、賢者と子供に共通する特性がそれだ。
投資家ではなく事業家だが、スティーブ・ジョブズはそんな達人だった。

コツを掴めばそれで良いのだから、まあ、心配しないことである。
H.G.ウェルズの『塀についたドア』と『奇跡をおこせる男』を読むと良いと思う。









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