敬愛する音楽家のWOWAKA(ヲワカ)さんが、4月5日、急性心不全で亡くなられた。31歳だった。
私は、写真で見る彼のシニカルな雰囲気は好きだった。
初音ミクさんが歌う彼の歌を聴くと、暗い・・・というか、この若さで重くて辛い人生を送ってきたのではないかと思ってしまう。
もちろん、本当のことは分からないが。

初音ミクさんの歌で私が涙を流したのは3曲だが、いずれもWOWAKAさんの曲だった。
それは、『ワールズエンド・ダンスホール』、『アンハッピーリフレイン』、『アンノウン・マザーグース』だ。
『ワールズエンド・ダンスホール』では、「世界の隅っこでワン・ツー」のところ。
『アンハッピーリフレイン』は、ほぼ全編、涙なくして聴けない。
『アンノウン・マザーグース』は、まだ聴きこんでいないが、「ガラクタばかり 投げつけられてきたその背中 」が特に堪(こた)える。彼もそうだったのだろうか?

WOWAKAさんは、しばらくボカロから遠ざかっていたのではと思う。
何かのインタビューで、「もうボカロ曲はやらないのか?」と訊かれ、「またやるかもしれない」と応えられ、『アンノウン・マザーグース』で復帰したように私は思っているのだが、この『アンノウン・マザーグース』は、ミクさんと曲がお互いに相手を包み込んだようで、ミクさんと曲の区別がつかない。

日仏友好160周年を記念する「ジャポニスム2018」では、セーヌ川に浮かぶサガン島の美しい大劇場「ラ・セーヌ・ミュージカル(La Seine Musicale)」で、まさに日本を代表して初音ミクさんがライブを行ったが、そこで、WOWAKAさんの『ワールズエンド・ダンスホール』と『アンノウン・マザーグース』が、パリの人々の前で披露された。
『ワールズエンド・ダンスホール』は、歌の内容とは違い、見ているだけで楽しく、文句なく観客は盛り上がったが、『アンノウン・マザーグース』は、日本人にだって難しい。しかし、「洗練」というものが伝わったのではと感じたのだ。

どこかサイコパスな私は、親友(と私は勝手に思っていた)や親が死んでも、悲しいとは思わなかったが、WOWAKAさんに関しても同じなのである。
ただ思い出すのは、惣流・アスカ・ラングレーがマグマの中で使徒を倒すも、散り際の使徒にエヴァ2号機の命綱を切断され、アスカは愛する2号機と共にマグマの中に沈んでいく時、アスカは泣き叫びも「助けて」とも言わなかったことだ。
アスカはただ「嫌だな。せっかく(何と言ったのだろう)」とやるせなさそうに言った。
あの時のアスカの気持ちのように感じるのである。
そうだ。「嫌だな」である。せっかく・・・とやはり思うのである。
本当に、嫌だと感じる。









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