書名は挙げないが、ある本の最初の方に、「祈りとは諦めないことだ」と書かれているのを見て納得し、半分まで読んだが、正直、後は読まない方が良いと思った。
正確には、「必要な唯一のことは諦めないこと」と書かれていたのであり、「祈りとは諦めないこと」と書かれていたのではない。
だが、イエスはじめ、多くの、確かに立派な人達が、祈りが最も大切と言うが、皆、なぜか、祈りとは何かを言わない。
有名な宗教家の五井昌久さんが、世界平和の祈りという具体的なものを示したのは素晴らしいことだが、私には、世界平和の祈りは無理だった。
イエスの「主の祈り」も、今の時代、難しいのではないかと思う。

そして、これまで、諦めないことが一番大切だと、何度も聞いたはずなのに、これも、どうもぴったりこなかった。
『美少女戦士セーラームーン』のエンディング曲『乙女のポリシー』で、「どんなピンチの時も絶対あきらめない そうよそれがカレンな乙女のポリシー」って、芹沢類さんという偉大な作詞家の歌詞は心に残りながらも、どこか曖昧なのだ。
『魔法少女リリカルなのは』のなのはの呪文「風は空に、星は天に、不屈の心はこの胸に」の素晴らしさには感動するが、やはり、「不屈の心」がピンと来ない。抽象的過ぎるのだ。

つまりね、確かに、諦めないこと、不屈であること、恐れずに求めること、勇気を出して前に進むこと。
初音ミクさんの『FREELY TOMORROW』や、IAさんの『Shoting Star』が心を打つのも、そんなことを歌っているからなのだが、これには、難しい、ダークな面もある。
例えば、「アイドルになるのを諦めない」といったところで、正直、「アンタには無理だよ」という場合もあるし、そもそも、アイドルにならない方が良いかもしれない。
「東大を諦めない」といったところで、無理なものは無理だ。
つまり、諦めるべきことは絶対にある。
いくら好きでも、その人が他の人と結ばれて幸せなら、すっぱり諦めるべきだが、「諦めきれない」なんて言うと不幸へ一直線だ。
かといって、大事業家の稲盛和夫さんのように、「私心ありかなきか」なんて高尚な教えを聞いても、「私心?大有りだが文句あるか?」と言いたい場合も多い・・・凡人だからね。

いかに願っても、自分の力では、どうにもならないことが大半なのだ。
プロ野球選手やプロサッカー選手になりたくても、実際になれるのは天才級の素質のある者だけだ。
それが不都合な真実ってやつだ。
だから、人間に出来ることは、ただ、黙々と練習することだけだ。
後は、運任せというか、天に任せるしかない。
だが、諦めてしまっては、可能性はゼロになる。

青池保子さんの超長編漫画『エロイカより愛をこめて』の、少佐とミーシャのこんな会話が忘れられない。
少佐「諦めは愚か者の結論だ」
ミーシャ「お前達のは愚か者の悪あがきだ」
どちらも正しいのだ。
人生で大切なことは、「悪あがきをする価値があるかどうか」なのだ。
そして、実際は、価値があるかどうかは分からない。分からないが賭けるしかないのだよ、人間は。

人生は博打である。
しかし、博打ほど奥が深いものはない。
それも、賢い人は、皆気付いたことだ。
博打の真髄とは、
「ただ賭けるしかない。後は運任せ」
である。
文句を言うやつに、博打をする値打ちはない。
賭けに負けるなら、何かが間違っていたのだ。
それが、スーフィーの格言「神を信用しろ。だがラクダはつないでおけ」である。
ラクダを自分でつなぐ者は、まあ、負けることはない。

まとまっていなくてすまないが、まとめられたら大したやつだ。
いずれ、短くまとめよう。
いや、もうまとまっているかもしれないがね。









↓応援していただける方はいずれか(できれば両方)クリックで投票をお願い致します。
人気blogランキングへ にほんブログ村 哲学・思想ブログ 人生・成功哲学へ
  
このエントリーをはてなブックマークに追加   
人気ランキング参加中です 人気blogランキングへ にほんブログ村 哲学・思想ブログ 人生・成功哲学へ