普通の人は、頭の中で否定的なつぶやきが止まることなく発せられていて、日々、生命力を失い、老い、能力を失くし、地獄に引き込まれている。
そこで、意識的に「大丈夫」といった言葉を呪文のように頭の中で唱えて、否定的なつぶやきを中和させないと、破滅へとまっしぐらとなる危険がある。
そこで、「絶対、大丈夫だ」「全て順調だ」「世界は意のままだ」といった万能呪文を、いつでもどこでも唱えることが薦められる。
しかし、外部からの攻撃があまりに強かったり、逆境が強く長く続く場合、呪文を唱える気力も無くなることだってあると思う。

そんな時は、呼吸を遅くすることで心を消すしかない。
ただ、ほどほどにやらないと危険もある。
しかし、効果はあまりに大きい。
ラマナ・マハルシは、「呼吸を制御すると心は静まるが、呼吸が戻ると、心は再び立ち現れる。呼吸制御は一時的なものであり、心を破壊するものではない」と言ったが、それなら、ずっと呼吸を制御すれば良いのである。
無理をせず、呼吸数を、これまでの8割、5割、3割と下げていけば良い。
普通の成人で、1分間の呼吸数は12~18回だそうだ。
これが5回くらいになると、頭の中のおしゃべりは止み、不安が消え、心が静まり、直観が冴える。
世界の根源とのつながりも強くなり、望まずとも幸運に恵まれる。
1分間に5回の呼吸は、ある程度の期間、意識的に根気強く、いつでもどこでも、気がつくたびに訓練すれば、それほど難しいことではない。

『ナ・ダーム』という本に、右眉の左端を意識しながら、「ナ」で息を吸い、「ダーム」で吐く方法を教えているが、これが実に良い。
ちなみに、「ナ・ダーム」という言葉には何の意味もない。
何の意味も感じない言葉を選んだだけなのだそうだ。
この本の翻訳者で、名翻訳者の評判の高い川口正吉氏も、この呼吸法の優れた効果を、あとがきに書いておられたと思う。
私の感覚では、「ナ」で短く息を吸い、少し止め、「ダーム」で細く長く吐く感じだ。

良い呼吸をするようになると、明らかに世界が動くのを感じる。
どんな意味でも、心が世界を作っているのであるから、澄んだ心からは、快楽的ではないが、精妙な世界が構築され、時には、緻密な因果関係が織り込まれていることに、直ぐに、あるいは、後で分かって驚くことも多いのである。









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