もう亡くなられた人だが、私は、船井総研創業者の船井幸雄さんという人が嫌いだった・・・というか嫌いだ。
ところが、彼が著書に書かれていた、「現状肯定。過去オール善」という言葉は、はっきり覚えていて、これほど大切な言葉は無いと思うのだ。
また、私は、赤塚不二夫さんという漫画家も、あまり好きではなく、特に、彼の代表作とも言える『天才バカボン』は嫌いなのだが、バカボンのパパの口癖で、赤塚不二夫自身の遺言とも思える象徴的な言葉「これでいいのだ」ほど重要な言葉も無いと思う。
赤塚不二夫さんは、間違いなく天才だったが、彼は、「男」は概ね馬鹿馬鹿しくこき下ろして描き、女の子は『ひみつのアッコちゃん』のアッコのように可愛らしく描いていることが面白い。彼自身、男とはロクなものでないと思っているに違いないが、それも「これでいいのだ」と思っていたのだろう。
船井幸雄さんの「現状肯定。過去オール善」は、まさに、「これでいいのだ」ということである。
過去は変えられないが、現在だって、自分でコントロール出来る部分は、ほとんど、あるいは、全くない。
そして、もしかしたら、過去も現在も、避けることが出来なかった運命だったのかもしれないのだ。

『バガヴァッド・ギーター』での、クリシュナの教えの根本は「義務を果たせ」ということと思うが、いずれにしろ、人間は義務を果たすことになるのである。
だが、アルジュナは、「私は戦わない」と言って、義務を放棄しようとし、クリシュナは、それが誤りであることを、言葉を尽くしてアルジュナに教えた。
そして、アルジュナは戦う運命を避けることなど出来なかったのだ。
それなら、アルジュナは「これでいいのだ」と思って、現状を肯定し、神の道具になり切って戦うべきなのだ。
そして、クリシュナは「義務を果たす者に神は報いる」と教えている。
まさに、「現状肯定。過去オール善」、「これでいいのだ」ということを忘れなければ最強である。

一方で、クリシュナは怠惰を戒めている。
少食過ぎてもいけないが、食べ過ぎてはいけない。
眠りが少な過ぎてはいけないが、惰眠を貪ってはならない。
心を支配せよと教えた。
だが、「これでいいのだ」と唱え、「現状肯定。過去オール善」であることを受け入れると、心の支配は容易い。
心の支配とは何かと言うと、
「神を信用しろ。だが、ラクダはつないでおけ」
という、スーフィー(イスラム教神秘主義)の教えらしいものを守ることだ。
神は、ラクダをつなぐこともしない者の人生の責任までは取らない。
社長は、社員や家族の生活の責任は取るものであるが、あまりの不良社員に関してはさにあらずというのと同じである。
だが、「そんな責任を取る気はない」と言う者は社長に相応しくないのである。
そして、神は、ラクダをつなぐ者の人生の責任は取るのだろう。

赤塚不二夫さんは「これでいいのだ」と思っていたかもしれないが、酒を飲み過ぎた。
それは良くないのだ・・・である。
ラクダはつないでおかないと、あれほどの天才でも、結末は悲惨だ。









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