合氣道家、藤平光一氏の『氣の確立』という本は、衝撃的な本だ。
あの中村天風が、死に際に「俺が教えたことは全部忘れろ」と言ったと藤平氏は述べる。
藤平氏も、直接聞いた訳ではなく、藤平氏の最後を看取った信頼すべき人から聞いたということだったと思う。
いくら何でも、師のことで、こんな嘘はつきはすまい。
つまり、天風の教えは全部間違いで、天風の本に書かれていることも全部間違いと見なしてよろしいということだ。
ただ、藤平氏は、中村天風が偉人であることは否定していない。

言われるまでもなく、中村天風の本は複雑過ぎて、結局、何をすれば良いのか分からない。
そこで、藤平氏は、4つの教えを残し、しかも、そのうちの1つでよろしいと言う。
その4つは、
1、臍下(せいか。ヘソの下)の一点に心をしずめ統一する
2、全身の力を完全に抜く
3、身体の総ての部分の重みをその最下部におく
4、氣を出す
である。
はっきり言う。
「全然、分からん」
説明の方も丹念に読んだ。
とにかく、抽象的過ぎて、さっぱり分からないのだ。

そこにいくと、法然は立派だった。
念仏を唱えよ。
これなら分かる。
同じく、エミール・クーエも良かった。
自己暗示の言葉1つを残した。
だが、その自己暗示の言葉が複雑過ぎる。特に、日本語訳は、どれも全然駄目だ。
翻訳は最悪だが、元の言葉も、やっぱり難し過ぎるのだ。
エイミー・カディー(社会心理学者)も偉い。パワー・ポーズ(ガッツ・ポーズと同じと思う)だけでよろしいと教えている。

ただ、念仏は、今の時代、誰でも受け入れるとは限らない。
それは、五井昌久氏の世界平和の祈りも同じだ。私には全然無理だったのだ。
クーエの自己暗示は、上で述べた通り、言葉が駄目。
エイミー・カディーのパワーポーズは、いつでもはやれないが、それについては、カディーは「想像でやっても効果がある」と言う。
ただ、継続的な効果があるかどうかは分からない。自分で試すしかないが、私は続かなかった。

それで、私は、絶対間違いのないものとして、呪文、特に、万能呪文を見つけた。
万能呪文に問題があるとすれば、言葉を1つに決め難いことは、素直に認めるしかない。
かと言って、言葉を2つ、3つにすれば、もう続かないのだ。

そこで、法然の弟子の親鸞が素晴らしいことを言っていた。
「弥陀の誓願は、親鸞ただ1人のためのものであった」
つまり、念仏は、自分1人のために阿弥陀如来が作ったということだ。
藤平光一氏の最高の真実は、学生時代、微動だにせず居眠りをしたことから、「天上天下唯我独尊(てんじょうてんがゆいがどくそん)」と呼ばれていたことだ。
親鸞も、藤平氏も、これらの点で同じだ。
一言で言えば、やはり「天上天下唯我独尊」なのだ。
「この世は私のためにある」とでも言う自信だ。
宇宙は地球を中心に回っているのではなかった。
そうではないのだ。
私を中心に回っているのだ。
そう感じられる言葉を呪文にすれば良い。
サイコパスってのは、参考になることを言う。
「あなたは自己中心的で横暴と聞くが?」
「それをリーダーシップと言うのだ」
こんな自信のあるサイコパスは、やっぱり成功しているのだ。
傲慢になれと言うのではもちろんない。
自分を信じるということだ。

いずれにしろ、呪文以外に出来ることは何もない。
それは確かだ。
人間は、自分の心を支配出来ない。
支配出来るのは言葉だけだ。
初めに言葉ありき。
言葉が心を動かし、心が世界を創る。
だから、呪文を忘れないことだ。
言葉は自由に選べる。
しかし、凡人は、自由に選ぶことが苦手だ。
だから、法然や五井昌久氏が人気がある。
だが、あなたは凡人ではない。
たった1つの呪文を自分で選ぶことだ。
そして、呪文は変えても良い。
呪文は、成長と共に変わる。
1秒で急成長すれば、1秒で変わる。
その時、呪文を選ぶのに悩む。
悩みながら、暫定で1つ決める。
しかし、見栄を捨てると、簡単に決まるものだ。









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