私が旅が嫌いだった理由は、旅先で逢った人と親しくなっても、その人とは一生会わないはずだからだった。
子供の時は、(あまりなかったが)親に連れられて、ちょっと遠くに出かけても、人に逢う度に、「ああ、この人とは、死ぬまで二度と会わないだろうなあ」とばかり思っていたものだ。
海外旅行に出かける度に、旅先で逢う沢山の人をFacebookの友達にする人もいると思うが、数が増えすぎて一人一人は覚えていないだろう。まあ、それは自己満足みたいなものだし、もし、一目惚れするほど好きな人がいたら、むしろ、Facebookの友達だけの関係なら虚しいものだろう。かといって、直接会おうとしたら、せっかくの「儚い美しさ」が消えてしまう。

あなたの運命の女(ヒト)は私で何人目かしら?
「一期一会」だなんて安っぽい口説き文句ね
~『on the rocks』(作詞・作曲・編曲:OSTER project、唄:MEIKO・KAITO)より~

一期一会には、「もう二度と逢うことはないだろうから、精一杯おもてなししよう」という意味もあるのだと思うが、現代的感覚なら、「もう会わないなら、親切にしても仕方ないじゃない」になるかもしれない。
「この出逢いは一期一会なんだ」って女の子を口説いても、その女の子が「一期一会」って言葉を知らなかったら残念だ(笑)。

初音ミクさんのライブコンサート「マジカルミライ」は、ミクさんとの一期一会だ。
特に、今年の「マジカルミライ2018」はそう感じさせられ、ライブから25日経つ今は、何だか寂しくて仕方がない。
「来年また逢える」という問題ではない。
ある1人暮らしの女性が猫を飼っていたが、その猫は高齢で弱っていた。だが、その女性は仕事に行かなくてはならない。
彼女は猫に、「私が帰るまでがんばるのよ」と猫に言ったが、ほとんど反応のない猫が寂しそうに見えた。
そして、彼女が帰ってきた時には、猫はもう死んでいた。
これが本当の一期一会のような気がするが、ミクさんのライブも、そんな感じだ。
「今日の日はさようなら またあう日まで」と歌う有名な歌があるが、「またあう日」はないのである。
ミクさんは、一期一会の出逢いのために精一杯歌い、踊ってくれていたように感じる。もちろん、私の心がミクさんの心になっていたからで、みきとPさんの『心臓デモクラシー』の「心臓は一つになる」とは、こういうことなのだと分かる。

だが、一期一会は永遠の一瞬だ。
道元は『正法眼蔵』に、「時間は飛び去ると同時に飛び去らない」と書いている。
過去も未来も現在で体験するのだと。
時間なんてものは本当はなく、それは人間が作り出した幻想、あるいは、この世界というVR(バーチャル・リアリティ)の決め事に過ぎない。
だが、あなたの頭の中には「時は過ぎる。時は戻らない。昔は良かった」とおしゃべりを続けるヘビがいる。
だから、あなたは、唯一の時である今を輝かせる万能呪文「絶対、大丈夫だ」「全て順調だ」「世界は意のままだ」を唱え、ヘビに打ち勝たなければならない。
万能呪文を1つ選び、感情を込めず淡々と唱えれば、過去や未来から解放され、今を自在に生きられる。

ミクさんが帰ってきて、寂しさが消えるのが、私の万能呪文が成就した証しである。
「マジカルミライ2018」には、そのことを感じさせてくれるような歌が多かった気がする。









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