私は、学校では全くうまくやれなかった。
学校に従うのが嫌だったのだが、そんな人は少なくはないだろう。
ところが、セールスマンをやってみたら、これは、権威的なものに従う必要は一切ないが、お客さんに従わなくてはならず、その辛さ厳しさは学校どころではないと分かった。
誰もが会社に従うのは嫌なはずだが、独立して世間やお客さんに従うのは、それどころではないほど大変なので、それぞれが、会社に完全降伏して、あるいは、微妙なバランスで会社と付き合う訳である。

だが、能力が高いほど、学校や会社に従う必要はなくなる。
スポーツで優秀な若者が、他の学生なら従うべき義務を免除されるようにだ。
それは、会社や、プロスポーツの団体の中でも言える。
スーパースターである野球選手が、実力と人気があるうちは、かなり好き勝手やれるようなものだ。
会社でも、たとえば、会社に大きな利益をもたらすセールスマンや研究者には特権が与えられるのは当たり前である。

アインシュタインは、学生の時は優秀でなかったので、学校から押し付けられる義務から逃れる術がなく、すっかり学校が嫌になり、それは、大学を卒業してからも、世間の中でしばらくは続いたが、物理学で天才的能力を発揮し、それが認められた後は、ようやく自由を手に入れた。

自由とは、世間のしがらみを無視してやっていける特権だ。
その特権を得るには、お金を生み出す能力が必要なのである。
「いや、金があるほどしがらみも増える」と言う人もいるだろうが、それは、得るお金に見合った能力がないからだ。
学生でも、スポーツのスターに特権があるのは、そのスポーツ選手が、なんらかの形でお金を生むのだが、本人はそれほど、あるいは、全くもらってないので、特権という形で彼は利益を得ているのである。
ところで、東大を出ていると言っても、東大出の中でも上位の実力がなければ特権は得られず、むしろ、能力がないのに東大卒にこだわれば、より大きなしがらみを持ってしまう。
だが、東大を出るくらいなら、そこそこ地頭は良いだろうから、それに見合った場所に行けば、それなりの特権が得られる可能性がある。

本音で言えば、皆、特権が欲しいのだろう?
そして、特権を得るには、それに見合った高い能力が必要なのだ。
とはいえ、優秀なスポーツ選手や研究者、あるいは、セールスマンになれる能力が全くない者はどうすれば良いだろう?
・・・と、こんな話の後は、99%が怪しいものだ。
引き寄せの法則だとか、潜在意識による成功法則とかね。
そんなものに頼りたがるのは、普通に特権を得る能力がない者に決まっているので、自己啓発本で成功する人がほとんどいないのは、特に不思議なことではない。
ところが、能力もないのに、うまくいってしまう人もいるのである。おそらく、極めて少数だが。
そんな者達は、世間的には、確かに大した能力はないが、世間を超えた力、あるいは、人間を超えた力とでもいうものを持っているのだ。
そのやり方は、決して生ぬるいものではない。
だが、得られる特権を考えれば、耐える価値がある。
そして、そのやり方をぽろっと言ったのが、法然やゲーテだ。
法然は、起きている限り念仏を唱えよと言ったし、ゲーテは地球の真似をしろ・・・つまり、やっぱり、何かを無限に繰り返せと言ったのだ。
法然やゲーテ自体は、特権的能力があったのに、彼らは我々凡人に優しかった、あるいは、憐れみを持っていたのである。









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