中島敦の『名人伝』の最後で、弓の名人は、「是と非の分を知らぬ」と言った。
善と悪の区別を知らないということだろう。
だが、美しいか美しくないかの区別がつかないとは言わなかった。

普遍的な善や悪はない。
それを決めるのは個人の観念だ。
美と醜も同じかもしれない。
しかし、善と悪は個人としても難しいが、美と醜は個人としてはシンプルだ。
だから、ものごとを善いか悪いかで判断するより、美しいか美しくないかで(あるいは、可愛いか可愛くないかで)判断する者の方が優れたことが出来るのである。

正しくなろうと思わない方が良い。
美しくなろうと思うことだ。
悪になるまいと思わない方が良い。
醜くはなるまいと思うことだ。

そして、ものの価値を決めるのは自分である。
自分が良いと言えば、それが普遍的な価値になる。
それが分かれば、世界の所有者と言え、世界の王であり、支配者であり、世界を自由に作り変えるだろう。
それには、まず、美の価値を知ることである。







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