サッカー選手だったフランツ・ベッケンバウアーが言ったという、
「強い者が勝つのではない。勝った者が強いのだ」
という言葉は、彼がどんなつもりで言ったのかは知らないが、つくづく本当だと思う。
しかし、日本の学校や社会で教育された者には、この意味は分からない。

「あいつは強いのに負けた」
「あいつは勝ったけど強くないよ」
勝利にはいろんな要因があり、運とか偶然ということも大いに関係する。
大番狂わせだろうが、勝ちは勝ち。
だが、そんな予想外の勝利を掴んだ者が、明日も勝つかどうかは分からない。
まあ、スポーツで言えば、ニューヒーローってのは、チヤホヤされてすぐに駄目になる。
どれほど「まさか」でも、勝った時は強かったが、落ちぶれたら、過去の栄光に何の意味もない。
明日も勝ちたければ、功績はさっさと手放すべきである。

イギリスのSFテレビドラマ『謎の円盤UFO(原題:UFO)』で、40代の司令官と30代の大佐が、月面基地で対峙していた。
司令官の手には銃。
その部屋の窓には穴が空き、空気が抜けていく。
生命が脅かされる中、大佐が言う。
「私は若い。若いし、強い」
そこで、司令官は言い返す。
「だが、意思の問題があるぞ」
結局、2人同時に気を失い、救助された。
体力で優る大佐と、意思の強さで優る司令官が引き分けた訳だが、2人の強さは互角だ。
だが、この戦いの見方を誤ってはならない。
体力勝負に持ち込めたことでは大佐の勝ちだ。
しかし、救助が来たことで司令官が逆転した。

つまり、強さというのは、状況を作り出せる意思の力なのだ。
そこには、運も偶然もない。
そして、意思の力を決めるのは目的だ。
簡単に言えば、高い目的を持った者の意思が強く、必ず勝つ。

人間の目的は生きることだが、個人の中にも種が生きるという目的があり、そちら(種が生きる)の目的の方が高い。
だから、個人的にいかに強くても、リーダーには負けるものだ。
希望に反して、強い一匹狼は、結局駄目なのだ。
しかし、そんなものを超える何かがある。
リーダーを超えるリーダーと一体化しちゃえば、一番強い。
そうすれば、価値は自分が決め、あらゆる状況を作り出す。
だから、問題は、何と1つになるか、どうすれば1つになれるかである。
決めるのは自分だ。
こんな肝心なことを人に決めてもらいたがる者が多いのだがね。
『BEATLESS』を読み、レイシアがアラトと1つになりたがるのを見れば、私にはよく分かったのである。









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