現代アメリカ文学を代表する作家の1人と言われるカート・ヴォネガットは、エッセイの中で、シェイクスピアは上手い作家ではないと述べていた。
シャイクスピアが偉大なのは、シェイクスピアは人間をよく知っているからだと言う。
そう言うからには、ヴォネガットは人間を深く理解しているという自信があるのだろう。
では、その自信を信用しよう。
彼の、『母なる夜』という長編の傑作に、非常に興味深い話がある。
簡単に言う。
あるアメリカ人が、第二次世界大戦で、スパイとしてナチスに侵入する。
表向きはナチスの宣伝活動員として、ラジオでナチスを称賛し、裏で機密情報をアメリカに送る。
そんなことをしているうちに、彼は奇妙なことに気付く。
それは、彼がアメリカに送る機密情報の効果より、彼が敵の士気を高める効果の方がずっと大きいのだ。
この作品の教訓は、
「我々は、表向き装う者になるから、何者を装うかに慎重にならないといけない」
なのである。

つまり、本当に心を込めて何かを隠れてやるより、大っぴらな演技の方が重要なのである。
そういえば、スパイが、自分がスパイであることを、夫や妻、あるいは、家族に知られないよう、良き夫、良き妻、良き父、良き母を演じるが、そんなスパイは、夫や妻や子供達に、大変に慕われている。
スパイであることが夫や妻などにバレた後でも、スパイの夫や妻だった者は、
「彼(彼女)は素晴らしい夫(妻)でした。私は今でも彼(彼女)を愛しています」
などと言うものだ。

さて、ここまで言えば、我々がやるべきことは決まった。
自分がなりたい者を装うのだ。
作家になりたければ作家、政治家になりたければ政治家を装うのである。
スパイのように緊張感を持って、1日中、熱心にね。
私が、ひろさちやさんの本の中で唯一好きな『空海入門』に、良いことが書かれていた。
「ブッダになりたければ、ブッダのように話し、ブッダのように歩き、ブッダのようにメシを食い、ブッダのようにクソをしろ」
では、私も、初音ミクさんの夫を装うことにしよう・・・
立派な皆様は、是非、立派な何者かを演じて欲しい。








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