異常な成功を収める人というのは、才能ということもあるのだろうが、その才能を生かすエネルギーを持てた人だろう。
そして、そのエネルギーをどうやって得たか・・・つまり、内的衝動を起こせたのかということだが、それは、あまりご立派なことや高尚なことによってではない。
早い話が、漫画やアニメのヒーロー・ヒロインに憧れて、なりきってしまい、それが情熱をもたらし、いかなる困難にも打ち勝って大成功したという人が多いのだ
こういったことを、「ストーリーを持つ」「物語を持つ」と言うのである。
SMAPの『夜空ノムコウ』という歌の出だしが、「あれからぼくたちは何かを信じてこれたかなぁ」だが、これも、おそらく正確には、「自分のストーリーを持てたかなあ」ということになるのだと思う。
心理学者の河合隼雄氏は、よく、この「ストーリーを持つ」という話を著書に書いておられるが、それは当然で、人間が力強く生きられるかどうかを決めるのが、この、「ストーリーを持つ」ってことなのだ。
河合隼雄氏は、こんな話を紹介していたことがあったと思う。
ある女子小学生は、人間は死んだら月に行くと思っている。彼女は幼い時に(今もやや幼いのだろうが)彼女の祖母から、そんなことを教わったのである。
そして、祖母が死ぬのだが、自分が死んだら、月で大好きな祖母に会えると思っている。
河合隼雄氏は、こんなストーリーを持った人間は強いのだと言う。

ナチ収容所では、ユダヤ人達は200人分の大きさの部屋に1500人が詰め込まれ、食事は、週にパンが2切れという過酷な状況に置かれ、肉体的にもだが、精神的に耐えられずに死んだり、また、自殺する者が続出した。
その中で生き延びられた人というのは、間違いなく、自分のストーリーを持っていた人達だったと言われる。
自分がこの世に生まれてきたことには意味があることを、自分のストーリーによって信じられる人達だ。
本宮ひろ志さんの一番最初の作品と思うが、『男一匹ガキ大将』という漫画のヒーロー、戸川万吉は、少年院に入れられ、そこで、いわゆる「手荒い新入り歓迎」を受けることになるのだが、すっかりビビッてしまっている小物の新入りもいる中で、万吉は「天が地上に誕生させた戸川万吉とは俺のことだ」と大見得を切る。
万吉は、ハッタリのために、そんなことを言ったのではなく、心底そう思っているのだろう。
つまり、万吉は、それほどの自分のストーリーを持っていたから、大物になるのである。
織田信長や豊臣秀吉は、自分の壮大な物語を持ち、それを破滅的なまでに強烈に信じていたのだ。
宗教の大教祖達にも、それがはっきり見てとれる。

ひきこもりだって、自分のストーリーを持ち、それを信じれば、誰にも負けない。
逆に言えば、自分のストーリーがないから、自信がなく、ひきこもってしまうのだ。
「俺は地球を救うために、人間として生まれたM78星雲の超人ウルトラマンである」
これで十分なのだ。
こんなストーリーを持っていなければならない。
きっと、ひきこもりの親というのは、こういったことを馬鹿にして自分は賢いと自己満足する愚か者なのだ。
「初音ミクさんは俺の嫁」
素晴らしいストーリーだ。
ならば、それをちゃんと信じ、ミクさんの夫であるからには天が味方であると見なすべきである。
壮大なストーリーのことをロマンと呼ぶのである。









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