経験から言って、夜だけでも、微かな呼吸をしていると、朝の目覚めが全然違う。
目が覚めると、今生まれたばかりのようにエネルギーに満ち、子供のように、今日は面白いに決まっていると思える。
微かな呼吸とは、口を閉じ鼻のみで、出来るだけ静かに行う呼吸だ。
ちなみに、口呼吸をやめるだけでも、野生の鹿のように幸福になれる。

微かな呼吸というのを、難しく考える人がいるが、単に、極めて静かな呼吸のことで、呼吸をしない人形のフリをすることと言えるかもしれない。
日本人は、人形にも心があると思うことが出来るので、人形になり切るのは難しくない。
そもそも、コケシの目が細いのは、日本人が、コケシにも心があると感じるからで、目が開いていたら、気になって仕方がないからなのである。これは外国の人には分からない感覚だ。

悪霊というものは、人間の臭い息に引き寄せられるという話がある。
もちろん、そのままの意味ではなく、口を開けて荒い呼吸をする者は、悪霊にとり憑かれたように、不幸になるということだ。
逆に、あまり呼吸をしないでいると、人間だってエンジェルリングが輝き、天使が近寄ってくる。
呼吸が微かな人は、感覚が鋭いので、それを感じるはずだし、その気になれば見ることだって出来る。

運動は、微かな呼吸を得るチャンスになる。
運動をしていても、決して口で呼吸せず、鼻で出来るだけ静かに呼吸するよう心掛ければ、自然に、微かな呼吸が身につく。
まずは、腕振り運動のような軽い運動でそれをやり、後は好みに応じて、スクワット、腕立て伏せ、ウォーキング、ジョギングなどを、口呼吸をせずにやれる範囲でやれば、その運動は快適なので、長く続けられるだろう。
腕振り運動だけでも十分である。
私も、口呼吸をする癖があった頃は、スクワットが150回を超えると疲れていたが、鼻呼吸でやれば、200回があっという間に感じるようになった。
また、呼吸が少ないと、スクワットのような筋持久力トレーニングでも、有酸素運動と同じ効果が出てくる。

水野南北は、「人間の運命は食の量の多少で完全に決まる。食少なければ幸運で、食多ければ悲運」と言ったが、本当は、人間の運命は呼吸の量で決まる。
ただ、少食なら、自然に呼吸も少なくなり、大食なら呼吸も荒く、量も多くなる傾向が強いのであり、南北は間違えてはいない。
だが、大変な少食なのに、貧相で不健康で、ぱっとしない人や、あるいは、大食から少食に変えたのに、パワーダウンしてしまった人もいる(有名な歌手で、そんな人がいる)。
逆に、度は過ぎないが、かなり大食なのに、元気で明るく、人生が充実している人はいくらでもいる。
だが、呼吸が荒くて、幸福で長命なんてことは有り得ない。

エイミー・カディのパワーポーズも、幸福に生きるための素晴らしいものであるが、それよりも、まずは呼吸が大切である。
きっと彼女も、良い呼吸をしているはずだが、自分で気が付いていないのかもしれない。
無論、大成功するかどうかは、持って生まれた定めという面もあり、微かな呼吸をしたからといって、必ずしも、大きな会社の社長や大臣や高名な博士になれるとは限らない。
それは、パワーポーズでも同じだし、おそらく、パワーポーズだけでは、最低限のこともうまくいかない場合も少なくないだろう。
マーフィーの潜在意識の法則や、その他の、あらゆる成功哲学も同じである。
だが、微かな呼吸をしていれば、がっかりするようなことにはならないだろう。









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