昔、日本にヨガブームを起こした藤本憲幸氏が、昨年亡くなられていることを知った。
まだ69歳であったようだ。
それをもって、藤本氏のヨガの教えの権威がなくなる訳ではないが、ちょっと若過ぎる。
まあ、藤本氏は、元々心臓に疾患があったらしいし、その他にも、子供の時から沢山の病気を抱え、医者に、二十歳までの命と言われていたらしい。
むしろ、その年まで、常人を超える活躍をしたのは脅威的と言えるかもしれない。
ただ、近年は、名前を聞かなくなったなあとは思っていた。

藤本氏の著書は600冊以上あるらしい。
私も、十数冊は読んだような気がするが、正直、あまり記憶に残っていない。
なかなか面白いとは思ったが、パワーを感じなかったのだ。
藤本氏とほぼ同い年の仙道の高藤聡一郎氏の著書は、数では藤本氏にはるかに劣るも、藤本氏と同じ頃に書かれた20年以上前の著書が今でも出版され続け、古書の多くがAmazonで高額であるのを見ると、そうではない藤本氏は、今はあまり評価されていないように思うのである。

ところが、藤本氏の本の中で、私が名著と思っているものが1冊ある。
その本が、パンローリング株式会社から、Kindle版で出ているのを見つけ、すぐさま購入した。
紙の本の行方が分からなくなっていて、残念に思っていたところだった。
それは、『秘法ヨガ入門』で、藤本氏が27歳の時の書と思う。おそらくだが、藤本氏の一番初めの本ではないだろうか。
デビュー作が一番成功した、あるいは、デビュー作だけ成功したミュージシャン、作家等は珍しくはないが、それと同じというのではないが、この本はもっと見直されても良いかもしれない。
この本も、未完成感はあり、粗削りな内容と思うが、とにかくパワーはある。

パンローリング社は、エマーソンの『自己信頼』や、ブリステルの『信念の魔術』、また、実質的に著者不明の『マスターの教え』といった歴史的名著を、優れた訳で電子化しているが、『秘法ヨガ入門』に目を付けるとは、素晴らしいセンスであると、改めて見直した。
この本の最初で、「自由人」とは、「恍惚」を目的に生きると書かれていた。
そして、恍惚には、うっとりと味わいがあるのだという。
肉食獣が草食獣を殺して食べる時も、肉食獣は味わいの恍惚、殺される草食獣にも、うっとりの恍惚があると言う。
人間も、世間的価値観に縛られず、恍惚を目的に生きれば、今、この瞬間に生き、自由になれる。
まあ、この文章の引用だけで早計に考えて誤解してはならないが、これは神の言葉のようだ。
若き藤本氏は、確かに神と共にいたのだろう。

私の「微かな呼吸」も、恍惚を目的とすることと言えなくもない。
そして、ヨガや仙道の、少なくとも現代人に適さない複雑さ不合理さはない。
だが、『秘法ヨガ入門』を読むことで得ることは多いかもしれない。









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