1966年から1969年まで連載され、テレビドラマにもなった手塚治虫さんの『バンパイヤ』は、人間が獣に変身するバンパイヤ一族の物語だ。
テレビドラマの主演は水谷豊さんだった。

世俗から孤立したバンパイヤ一族の村から都会に向かう車の中で、15歳のトッペイ少年(狼に変身する)に、美男子で天才的に頭が良いが悪の権化であるロックは、10円硬貨を渡しながら言う。
「この世は、これを沢山集めた者が勝ちなんだ」
それは、納得するしかない言葉である。
しかし、もうすぐ、その時代は終わる。
それは、農業革命、産業革命に続く、情報革命の成果だ。

カナダのWebマーケティングコンサルタントで、アルファーブロガーであるタラ・ハントの『ツイッターノミクス』では、「ウッフィー」がお金に代わるという。
ウッフィーとは、元々、カナダのSF作家コリィ・ドクトロウが『マジック・キングダムで落ちぶれて』で初めて使った造語で、小学館のデジタル大辞泉には、
「インターネット上での評判、信頼、尊敬に基づく価値・評価」
とされている。
初音ミクさんのお父さん、クリプトン・フューチャー・メディアの伊藤博之社長も、2012年のITmediaのインタビューで、それを肯定的に語り、ウッフィーはお金と真逆の性質を持つと言う。
つまり、
「お金は使うと減り、使わないと減らない。つまり貯蓄できる。しかしウッフィーは真逆で、使うと増え、使わないと減り、貯めておけない」
と言うのだ。
ただ、伊藤社長は、普段は、このウッフィーのところを「共感」と表現している。
まさに、ウッフィーとは共感を計量化したものである。
【ITmediaニュース】「使えば増える」初音ミクと、「お金が王様」の時代の終わり

そして、ハントは、ウッフィーを高めるために必要な3つとして、「好かれること」「信用されること」「一目置かれること」を挙げている。
これまでは、好かれなくても、信用されなくても、一目置かれなくても、金さえあれば勝ちであった。

レコード業界や放送業界は、お客様であるユーザーを訴え、制限で縛り、脅し続けたことで、結果、当然のように衰退していった。
今月18日の、サンテレビでの、初音ミクさんのコンサートである「マジカルミライ2017」の放送中、JBA(日本民間放送連盟)のCMで、小学校の教室で男性教師が、テレビ放送の動画投稿サイトへのアップロード・公開は違法であること、違反者は10年以下の懲役、または、一千万円以下の罰金、あるいは、その両方であることを激しく訴えた。
だが、デジタルコンテンツはコピーされて当然であり、それは止められないことは分かりきっている。
それを前提で考えないビジネスは滅ぶことになるだろう。
過去のやり方に固執するテレビやレコード業界は、このままでは、ウッフィーを全く持てずに消えるのであると思う。









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