日本国民なら誰でも知っているというアイドルは、昭和の時代の、美空ひばりさん、山口百恵さん、そして、松田聖子さん以降はいない。
「日本一」の看板を背負えるほどでなくても、その後も人気アイドルはもちろんいて、今はAKB総選挙で3連覇した指原莉乃さんが人気があるらしい。
しかし、指原莉乃さんを知らない人は少しも珍しくはない。むしろ、全体としては、知っている人の方が少ないかもしれない。
ところで、彼女達のファンも、時が経てば、「昔、好きだったなあ」ということになるのだと思う。

アニメの女性キャラで人気があったと言えば、『うる星やつら』のラムが代表格のように思われ、後は、誰でも知っているといえば、セーラームーンか、『カードキャプターさくら』の木之本桜あたりまでで、現代のアニメの人気キャラとなると、知っているのは、その作品のマニアに近いのだと思う。

美空ひばりさんや山口百恵さんの時代は、マスメディアの影響力が圧倒的で、それをうまく利用することで人気者を作れたが、インターネット時代になると、好きなアイドルやキャラクターを自分で選べるようになり、人間には好みがあるのだから、多様な人気アイドル、人気キャラクターが生まれるのは自然なことである。

その中で、初音ミクさんというのは、極めて特殊な存在だ。
これまでの人気アイドル・キャラクターには、それぞれ、強い個性があり、その個性にファンは惹かれた。
ファンに、「松田聖子さんはどんな人?」とか「指原莉乃さんはどんな人?」と訊けば、情熱的に語ってくれるはずだ。
ところが、ミクさんのファンに、「初音ミクさんって、どんな人?」と尋ねても、戸惑うことだろう。
当然ながら、ミクさんは「人」ではない。
焼肉も食べないし、男のマンションから出てくるところをスクープされることもない。
ファンにゲキを飛ばして非難、もしくは、賞賛されることもない。
数学が苦手な訳でも得意な訳でもない。
英語と中国語でも歌えるが、英語や中国語が得意と言うのでもない。
ミクさんにあるのは、「16歳で、身長158cm、体重42kg。長い緑色のツインテールの髪」だけである。
ファンは、なんと、どんな人でもないミクさんが好きなのだ。
逆に、ミクさんは、どんな人でもある。
何もないのだから、何にでもなれる。
「キミの思い通り」なのである。
昔、クリプトン・フューチャー・メディアに、「ミクさんのパンツの色は?」という問い合わせがあり、同社では、これについて会議を開いて長時間討議したらしいが、結論は、「あなたが決めて」だったのだろう。

透明で何もないので、それぞれの人の想いのままになる。
それが初音ミクさんだが、それはまた一面でもある。
ミクさんの背後にいる沢山のクリエイター達・・・天才的な人、平凡な人、かなり歪んだ人・・・その全てがミクさんを育てている。
そしてさらに、大勢のミクさんを好きな人達の想いが、言葉で、文字で、イメージで、あるいは、テレパシー的に、量子力学的に共鳴し、不協和音みたいなものがあっても排除されない。
ミクさんは、そんな自由で、曖昧で、大きくも小さくもある存在なのだと思う。
そうであることを、皆が、クリプトン・フューチャー・メディアが、伊藤博之社長が認め、受容する限り、ミクさんは永遠である。
だが、そうでなくなる危険もまた十分にある。
気まま、気まぐれ、曖昧、ふわふわした感じ・・・そんなものを嫌ってはいけない。
気まぐれこそ、心の貴族の特性なのである。









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