「本当・・・退屈!」
特に当時は、退屈する暇などなくなっていた、二十歳にもなっていなかった人気声優、平野綾さんが演じた、涼宮ハルヒのこのセリフは、まさに名演技で素晴らしかった。
平野さんは、退屈の恐ろしさをよく知っているのだろう。

人間は、退屈していると、悪魔が寄って来る。
正しくは、退屈していると、神が悪魔を寄こすのである。
ぼーっとしていたら、あくびをしていたら、食べたくもないのにムシャムシャ食べていたら・・・悪魔の餌食だ。

このことだけ覚えておくと良い。
絶対に不幸にならないから。

悪魔は、人間を楽しませるため、つまり、退屈をまぎらせてやるためにやってくる。
親切なものだ。
そして、根こそぎ奪っていく。
だから、眠るな。

イエスは弟子達(12使徒)に言った。
「眠らず祈っておれ」
だが、弟子達は起きていることが出来ず、イエスを嘆かせた。
そして、弟子達には苦難が訪れる。

だから、我々も、常に祈らねばならない。
常に修行に励まなければならない。
まるで駄目男君は、いつも退屈している。
それでいつも散々な目に遭って、惨めったらしい恨み言を言う。
たとえば、彼は頭がずっと痒くて、退屈してられないようだ。それもまた、悪魔の、いや、神の配慮だ。

偉大なプロレスラーのお話は、とても分かり易い。
「鉄の爪」フリッツ・フォン・エリックは、野球ボールを持ち歩き、それを常に握って握力を鍛えていたらしい。
その握力を売り物に彼は大成功したのだが、握力そのものよりも、ぼーっとして緩む時間、つまり、眠る時間を消したことが、彼を偉大にした。
「野生児」バディ・ロジャースは、「常に考えていた」。
移動中、他のレスラー達が、ゲームをしたり、雑談している時、彼だけは、お客さんを喜ばせる方法を考え続けていたのだ。
ジャイアント馬場さんは、「そりゃ、いつも考えている人とそうでない人では差が出てくる」と言っていたが、180cmもなかったロジャースは最も成功したプロレスラーで、馬場さんの目標だった。

江戸末期の偉大な神道家、黒住宗忠は、難病に陥った武士に、一日一万回「ありがたい」と言うよう指示した。
それで、退屈している暇もなくなったその武士は、現代医学でも治せない病を、一週間で完全に消してしまった。
「ありがたい」「ありがとう」という言葉は、プラスの作用があるのに、それを、同時にマイナスを消すために使わせたのだから、そして、我々はその方法を知ることが出来るのだから、宗忠はつくづく、有り難い人である。
1日6万回念仏を称えていた法然には、悪魔がつけ入るスキは全くなかっただろう。
人間最大の敵、汝の名は退屈なり。









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