優良な会社が傾く原因は人件費であることが多い。
会社の成長期、業績が上向いている時に、どんどん人を雇い、給料も上げていくと、会社には活気が生まれ、人間関係も良く、良好な収益が続く。
しかし、会社が安定期に入り、徐々に衰退期に入っていくと、人件費が重くのしかかる。
そうなると、会社幹部や経理部門には、「(自分以外の)誰がいらないか」が、はっきり見えてしまう。
昔であれば、冷酷・・・と言うか合理的にクビにしたし、それがやり難くなったら、パワハラで嫌がらせをして、自主的に退職するようなことをしたが、それも出来なくなると、追い出し部屋を作って、辞めて欲しい社員をそこにいれて、キツい肉体労働や、「恥ずかしい」仕事をさせる。
追い出し部屋というのは、本人が辞めたくなるように仕向けるよりは、「会社は君に辞めて欲しいのだ」という意思を示す意味が強い。
しかし、これもやり過ぎると、従業員に訴えられる。そして、社会の実体を知らない厚生労働省を始め、政府の役人は、とにかく労働者保護を打ち出せば評判が良くなるからと、何の策もないまま、「リストラは駄目」「従業員をいじめては駄目」と高圧的に構える。
すると、余計に会社の中はドロドロしてくるのだ。
本当のところは、多くの給料の高い役人や会社幹部が一番いらないのだが、そんな者達の立場は安泰である。

そんな状態では、従業員にも会社経営者にも、甘ったるい成功法則や成功哲学など、何の役にも立たない。
友愛みたいなものを掲げ、たまたまうまくいっていたリーダーも、全然力不足であることが明晰になる。

以上は、会社の話だが、これが家庭にそのままあてはまる。
一家の主が、仕事が順調で給料も上がり、自信がついてくると、なぜか息子が引きこもりになる。
しかし、主は、「息子や娘の2人や3人、俺が食わしてやる」と威勢が良いが、やがて、歳を取れば、自分が高い給料に見合わない、会社のお荷物になったことが分かってくる。
特別な能力を持たない者に対し、会社が求めるのは、所詮「馬力」みたいなものなのだ。
そして、調子に乗って購入した家や車や、その他、様々なものが負担になってくるが、何よりも重い負担は、子供達の生活費である。
心の中では、子供達にいなくなって欲しい、いるならいるで、相応の金を入れて欲しいと強く思うようになる。
それは子供達(と言っても、いいい歳をしたオッサンだが)への態度にも現れるようになり、子供が荒れることにもなる。

会社も家庭も、人間がやっているものだから、やはり似ているのである。
悪くなった時、どうするか?
最も拙いのは、そのまま継続することである。
何らかの変化が必要なのに、それをやるのは、恐いというか、おっくうなのである。
だが、そのままいけば、地獄行きは間違いない。
だから、悪くないことであれば、何かを変えなくてはならない。
例えば、その苦しい中で、社員の給料を、僅かで良いが、分かる程度には上げるとかである。
引きこもりの息子を留学させたり、自分の仕事を手伝わせたりと、いろいろやり方はあるものだ。
単に楽天的であるだけで、何もしなければやはり駄目なのだ。
自分が引きこもりの立場でも、やはり、何もしなければ悪くなる一方で、動かなくてはならない。
1つの動きが、何かを引き起こすのである。
「策多ければ勝ち、少なければ負ける」
ある優秀な戦国武将は、それを悟ったのである。









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