一頃、EQというものがブームになったが、忘れられてしまった感がある。
EQはEmotional Intelligence Quotientで、直訳では、「感情の知能指数」だが、「心の知能指数」と訳されることが多い。
私は、むしろ、「情動的知性」という言い方がピッタリだと思う。

この「心の知能指数」という訳や、EQを「対人能力」「コミュニケーション能力」と言うことが誤解を生んでいたのではないかと思う。
私も誤解していたのだが、EQといったら、何か、文系の曖昧で、人間関係をうまくこなす、ある意味「しょぼい」能力というイメージがあるかもしれない。
だが、EQを向上させる(マインドフルネスを活用する)SIY(サーチ・インサイド・ユアセルフ)プログラムを開発した、元Googleのチャディー・メン・タンは、Googleでやるような高度な知性が必要とされるような職務の遂行においても、EQはIQの2倍重要と言う。

人間の最も高度な知性と思われる直観は、IQではなく、EQによってもたらされる。
また、どんな職業でも、感性の重要さは誰もが認めながら、それこそ、感性を磨くなどというのは、どこか曖昧で茫然(とりとめがない)としたもののように思われるが、これもEQの能力である。
よく、「アインシュタインのIQは160だった」といったことが書かれているが、私は、アインシュタインはIQは平凡だったが、EQが非常に高かったのだと思う。
実際、アインシュタインは、IQの高さが有利になる詰め込み学習では全く無能で、成績も良くなかったが、直観と感性(案外に同じものだと思う)が優れていた・・・つまり、EQが圧倒的に高かったのだろう。

チャディー・メン・タンは、EQはマインドフルネスの訓練で鍛えることが出来ると述べている。
マインドフルネスとは、日本マインドフルネス学会の定義を引用すると、
「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、 評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること」
である。
ヴァーノン・ハワードやニサルガダッタ・マハラジが、常にやれと言っていたことと同じと思う。
このブログで、最近よく書いている、「呼吸を意識する」ことも、マインドフルネスの状態になるための有効な方法で、仙道などの修行でも取り入れていることがあるし、チャディー・メン・タンも薦めているものだ。
マインドフルネスの訓練により、脳の新皮質が厚くなることがMRI(磁気共鳴画像検査装置)で確認されているという話もある。

上記に述べた通り、チャディー・メン・タンは、マインドフルネスの訓練であるSIYを開発したが、こういった特別な訓練のプログラムについて書かれた本では、大抵、「本当の訓練は、次に紹介するプログラムを購入して下さい」とか、「セミナーに参加して下さい。ただいまキャンペーン中」(笑)とか書かれ、その書籍は単に宣伝パンフレットだったと気付くが、タンは、そんなケチなことはしていない。
確かに、SIYの研修セミナーはあり、Googleの多くの社員が受講している。
値段もまあまあ高い。
しかし、チャディーの本では、最初の数十ページで、やり方のあらかたは分かるし、それは非常に簡単だ。
私は、彼の本(2冊)を電子書籍で20%程度しか読んでいないが、もう十分と思った。それで必要なことは分かった。
間違いなく、真の天才は、IQが高い人ではなく、EQが高い人であると思う。
そして、EQは大人でも高めることが出来るのである。









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