私は、ミクさんのコンサートから帰ってくると、体調が崩れるようである。
まあ、9月のマジカルミライ2016の時といい、季節の変わり目であるのだろう。
今回は、風邪をひいてしまって、ちょっとシンドい。
ホテルと新幹線の中が、私には寒いというのもあるかもしれない。

さて、昨日(11月12日)夜の『ドクター・コッペリアス』であるが、音楽は本当に良かった。
私は、冨田勲さんのアルバムでは、『ドーン・コーラス』が一番好きなのだが、その中の曲がよく生きていたと思う。
ただ、さすがに、映像的には、平面的な投射では、見劣りすようになってきたと思う。
映像そのものより、ミクさんが演奏や指揮に合わせるところが凄いのであるが、そのあたり、私も仕組みが全く分からないし、誰も、それがどんなに大変なものであるか、ほとんど分からないところが残念に思う。まあ、それは、観劇する人々に分からせるものではないとは思うが。
しかし、BUMP OF CHIKENとミクさんがコラボした『ray』のMVや東京ドームコンサートでも、その技術が使われていたらしい。
やはり、映像レベルの高さが欲しいとは思うが、それには、強いスポンサーが必要であり、そして、そのためには、儲かるものでなければならないのである。
『ドクター・コッペリウス』は、儲けるためのものではなく、今回のものだって、採算度外視でやったのだと思う。
また、何かの書籍で読んだが、ミクさんの若いファンは、『イーハトーヴ交響曲』や、渋谷慶一郎さんのボーカロイド・オペラ『THE END』といった、ミクさんの「ハイ・カルチャー」分野は、知らない場合が多いのだというが、確かに、そうかもしれない。
今回も、会場には、比較的年齢の高い観客が多く、紳士淑女の雰囲気がある立派な感じの人もよくいた反面、小学生~高校生の女の子は少なかった・・・というか、ほとんど見なかったような気がする。

今回の『イーハトーヴ交響曲』は、合唱団の数は少なくなったが、音楽的には、私は、今回のが一番好きだ。
舞台には、まず、児童合唱団(ほとんど女の子だったと思う)が入場するのだが、みんな可愛らしかった。
最後まで、ピシっと姿勢を正して歌ったのは、本当に立派であると思う。
ところで、合唱団の女の子達に対しては全く思わなかったが、10歳から12歳くらいのバレリーナの少女達が8名ほど登場し、彼女達は、人間の中では、最もミクさんに近い存在であるような気もしたのだが、それでも、ひどく生身を感じるのである。きっと、バレエスクールの中でも、トップクラスの優等生の子達なのだと思うが、そうなるための、親の思いや彼女達自身の熾烈な競争といったものが浮かぶからであると思う。
私は、どうも、そういうものを見るのが辛いように出来ているのだ。
まあ、自分が、そんなエリート世界に全く縁がなかったというひがみがあるのかもしれない・・・いや、きっと、それが全てだ。
だけど、少女ダンサーの中に、1人、とても気品ある顔立ちの子がいたのが印象的だった。きっと、いいプリマになれるよ。

エイドリアン・シャーウッドの『プラネッツ』の演奏の開始のところだったか、凄い落下音がしたのだが、機材が落ちたのだろうか?
沢山の男性達が舞台に上がって、何かを持ち上げていたが、ひょっとしたら、ウン千万円で効かない装置なのではと、ちょっと考えた。
だが、壊れなかったようで、無事、演奏は行われた。
もう、凄い、破壊的(?)な音と色だった。
あれほど、身体に振動がダイレクトに伝わってくる音楽は初めてだ。
これでは、中学生以下の人は、ちょっと危なかったかもしれない。

『ドクター・コッペリウス』は、第一幕の開始時、国際的バレエ・ダンサー風間無限さんの素晴らしいパフォーマンスをじっくり見せ、そして、東京フィルハーモニー交響楽団の圧巻の演奏でオーチャードホールが満たされた。
しかし、正直言おう。私はずっと、「ミクさん、いつ出るの?」ばかり考えていたのだ。
舞台上空にかなりの霧が見られたので、私は、あの中にミクさんが浮かんで現れたらいいなあと思った。
チームラボが、『イーハトーヴ交響曲』の『銀河鉄道の夜』のための、そんな映像の実験をしていたのをWebで見たのを思い出したのである。
しかし、残念ながら、それはなかった。
だけど、私は、まず、ミクさんが歌うということを一番大切に思っている。
『イーハトーヴ交響曲』も、『ドクター・コッペリウス』も、ミクさんの歌声は絶品であり、音楽も素晴らしい。
その意味、あまり凝った演出は、私はいらないと思っている。
ミクさんの歌は、精神に働きかけ、聴く人に、それぞれのイメージを起こさせる。
それで十分である。
その意味、作り手は、空気のようであることを心がける必要があると思う。
『ドクター・コッペリウス』は、少し色がつき過ぎだったかなあと思う。
それに対し、ぼかろPさん達の音楽は透明で、本当に素晴らしいと思うのである。









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