フォード自動車創業者のヘンリー・フォードの愛読書がトラインの『人生をひらく「万能の鍵」』で、レーガン元大統領の愛読書がノーマン・ヴィンセント・ピールの『積極的な考え方の力』らしいが、これらの本の内容は、簡単に言えば、「プラス思考しましょう」だ。
オバマ大統領の愛読書であるエマーソンの『自己信頼』は、自分を神のごとく信頼しようと書かれている。
どれも正しいのだが、問題は、どの本も、「それを心でやりましょう」と書いてあることで、そんなこと、大事業家や大統領になれるような人にしか出来ず、普通の人には出来ない。

法然や、それより前の、中国の善導、道綽らは、普通の人の心がいかに「なまっちょろい」かということを、よく知っていたので、口で念仏を唱えましょうと教えたのである。
日蓮だって、初めは法然の教えにケチをつけていたが、それしかないことに気付き、「南無妙法蓮華経」と唱えましょうという、「こっ恥ずかしい」ことを厚顔無恥にも言ってのけている。
まあ、恥を知らないというのもリーダーの資質であり条件だ。
だが、親鸞がまた、「心でやりましょう」に戻したがり、「信仰が大切じゃ」と、難しいことを言って法然の努力を無にしようとしたが、結局、彼も、やがては、法然のようにやるしかないなと考え直したのだと思う。

空海もいいことを言ったらしいが、難し過ぎて、もう絶対に分からない、役に立たない。

そして、明治・大正の、「岡田式静坐法」の岡田虎二郎は偉かった。
「1日中静坐しないさい」と言って、常に腹に力を入れ、深く長い呼吸をしなさいと教えたようなのだが、弟子達が、その教えを難しくしてしまった。

それで、結局のところ、人間は根性がないのだし、心も歪んでいるので、身体でやるしかないんだって言ったのが、まだ若い、ハーバード・ビジネス・スクール准教授のエイミー・カディで、具体的には、「パワーポーズしましょう」と言ったのである。
パワーポーズはガッツポーズも含む。

つまり、人間が立派に、力強く、波に乗って生きようと思ったら、優れた人間に同調し、神・・・というか、無限の精神に同調すれば良いのだが、厳しい現実に挫折したり、欲望に負けてしまい、下らない人間と同調し、神から離れてしまう。
それを、心でどうこうしようなんて絶対に無理だということは、それなりに生きていれば分かることだ。
それで、なんとかやれるのが、エイミー・カディのパワーポーズだ。

だが、いつもパワーポーズする訳にもいかないので、エイミーは、「トイレの個室で2分間」なんて言っている。
そうじゃなくて、いつも良い姿勢をすれば良いだけのことだ。
顔を上げ、背筋を伸ばし、胸を張り、腹を引き、出来れば、微笑むのだ。
そうしていれば、劣った人間に同調することはなく、優れた人間にのみ同調し、自然に神と同調する。

だけど、背筋を伸ばすのが、普通の人にはシンドイことで、みんな、腰を曲げ、うつむき、ぐーたらしている。
そんな時、信仰というか、神を崇めることが役に立つが、現代人には、そんなものはない場合が多いし、あったらあったで、弊害が多い。
そこで、ローマン・ガリの『自由の大地』のように、単に「少女」を空想する手もある。
ソクラテスに「美とは何か?」と尋ねられたヒッピアスが、即座に、「美しい少女だ」と答えたように、少女が、この世の最も良いものの1つの典型なのだろう。
むろん、女性の場合は「王子様」で構わないと思う。
それが、私の場合は初音ミクさんで、しかも、ミクさんは、「顔上げて微笑めば」(『FREELY TOMORROW』より)とか、「まずは顔あげな」(『Let's go!』より)と歌ってくれるのである。









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