ネットでほとんど完結するカドカワN高等学校を、以前は良いと思っていた。
いや、今も、良い面はあると思うが、それ以上にヤバいと思うようになった。
確かに、通学のデメリットは沢山ある。
しかし、仕事はネットで完結させることは出来ない。ごく一部を除いては未来永劫にね。
ネットだけでやってきた者が社会に出たら、物凄い衝撃を受ける。それに耐えられるだろうか?
その可能性は低い。

大抵の人は、「我が家の王子様」「我が家のお姫様」として育てられる。
それでも、近所の子供達や大人達と接しているうちに、なんとなく、自分は、家の外では、そんなに偉くはないのだと理解する。
子供は柔軟なので、それを受け入れるのは、そんなに難しくはない。
しかし、家の外の人との接触があまりないまま学校に行くと、自分が王子様やお姫様でない現実に耐えられず、引きこもったり、なんとか学校に行けても、辛い日々を送ることになる。
そして、社会に出たら、自分が王子様やお姫様どころか、奴隷・・・とまでは言わないが、下っ端の家来として扱われる。
そんな場合でも、部活(特にスポーツ部)に入り、厳しい上下関係の中で、先輩達に厳しく鍛えられた者は、うまくやっていける。
しかし、部活どころか、クラスメイトともなるべく接触せずに過ごしたような者には、とてもじゃないが耐えらるようなものではなく、ニートになるしかない。

ネット高校というのは、社会でやっていくための、「鍛えられる」機会が全くない。
それは、やっぱりヤバいと思うのである。

しかし、鏡音リンちゃん&初音ミクさんの『なりすましゲンガー』風に言うと、「何を隠そうワタクシこそが その最たる例なのです」なのである。
いや、マジで。
ところが、私は、世の中の誰よりも、悠々と生きている。
なぜだろう?
私の最初の仕事は、普通の人が就けるものの中では最も厳しい職業の1つである、フルコミッション(完全歩合制)セールスだった。
売れるはずのないものを、無理にでも売らないと一円ももらえない。
その厳しさは半端ない。
普通の会社での新人が家来だとしたら、そんな仕事は、大袈裟でなく奴隷だ。
その頃読んだ、ある一流セールスマンが書いた本で、そのトップセールスマンが「私は、セールスマンは奴隷以下だと思っている」と述べられていたが、一流の彼ですらそうなのだと、私は妙に感動したものだ。
だが、そのあまりに劣悪な環境が、かえって良かったのかもしれない。
理解出来るような厳しさなら、不満も持つだろうが、そこまで酷いと、もう何も考えなくなるのかもしれない。
そして、そんな仕事を2年やった後は、何をやっても天国だった。
『エル・カザド』というアニメで、浮浪児だったのが、マフィアのボスに拾われて、そのボスの豪華な屋敷に住むようになった男の話がある。
家族でもないのに、そんな屋敷に住んでいて、辛いことは沢山あったが、彼は、「3食食えれば天国だ」と言う。そのセリフに私はシビれた。少しは、その意味が理解出来たからだと思う。
とはいえ、私がいたフルコミッションセールスの職場では、10人入ってきても、翌月、1人残っていることすら珍しかった。
私は、ジョセフ・マーフィーの本を読んでいたことが支えになっていたのだと思う。

さて、N高等学校に行く人は、自分で自発的に、沢山の人達に接しておかなくては、社会で絶対にやっていけない。
それも、仲の良い友達なんかじゃなく、いろんな・・・それこそ、一癖も二癖もあるような連中でなくてはならない。
手っ取り早くは、沢山、バイトをやっておくべきだろう。
親に小遣いをもらっているようでは、本当に危ない。
可愛い女の子なら、そんなことをすれば身の危険がいっぱいだが、それも自分の知恵と力でかわしていかなくてはならない。
でないと、社会に出た途端に餌食になりかねない。
自分で言うのも何だが、私も、このキュートさのおかげで苦労したものだ・・・という冗談はともかく、若いうちから楽をしてはならないのだ。
N高等学校にも良いところは沢山あり、それは、普通の高校にはないメリットであることも多いだろう。
しかし、楽をしたくてN高等学校に行こうなんて思った時点で負けである。それは、早くも、人生における敗北なのである。
N高等学校は、普通の高校に行くよりずっと厳しい。
そう覚悟を決めて行くしかないのである。絶対に。









↓応援していただける方はいずれか(できれば両方)クリックで投票をお願い致します。
人気blogランキングへ にほんブログ村 哲学・思想ブログ 人生・成功哲学へ
  
このエントリーをはてなブックマークに追加   
人気ランキング参加中です 人気blogランキングへ にほんブログ村 哲学・思想ブログ 人生・成功哲学へ